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2017 年度 実施状況報告書

硬組織からの薬物検出方法の開発と血中濃度との相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K09262
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

矢島 大介  国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (60451754)

研究分担者 斉藤 久子  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (10292674)
猪口 剛  千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20572580)
安部 寛子  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40707204)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード骨からの薬物検出
研究実績の概要

今年度は現在までに分析した骨試料の結果を一部収集し解析を行った。
死後変化の少ない事例、または死後変化が進行していたとしても血液が採取できた事例で血液から多種類の薬物が検出された事例(多剤検出事例)において、血液と骨からの検出薬物が一致しているか否か調べた。さらに白骨事例や高度腐敗、ミイラ化事例で液体試料や軟部組織試料では検査が困難であった事例ににおいて、その骨試料を用いて薬物検査を行っていた事例を抽出し、その検査結果を調べた。対象となった多剤検出事例は4事例あり、4から15種の精神神経用剤が血液または尿から検出されていた。白骨事例等で骨試料で検査を行った事例は46事例あった。
【結果及び考察】多剤検出事例ではいずれの事例においても血中で検出された薬物の一部を検出することができた。また、白骨事例等の骨試料では46例中4例で薬物が検出された。血中から検出された薬物は骨試料からでも検出は可能であったが、検出できない薬物もあった。骨から検出された薬物は、その血管内血液に存在する薬物を検出していると推測されるため、検出されなかった薬物については、第一には血中濃度が低いことが挙げられるが、血中濃度が比較的高めでも検出されなかった薬物もあり、これらは抽出方法が適切でない可能性や骨血管への分布が少ない特徴を有する可能性がある。抽出方法については塩基性薬物、酸性薬物ともに抽出されていることから適切であると推定はされるが、検出できなかった薬物があることを考慮すると何等かの検討が必要である。白骨事例等の薬物スクリーニングでは、今回はじめて約1割弱の事例で何等かの薬物が検出されることが明らかとなった。死因判断や身元推定の一助となる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

職場の異動があり、分析機器や人員等の研究環境が整っていないため。

今後の研究の推進方策

抽出方法については他の方法も試みてより良い方法の探求を行う。
今回は精神神経用薬について、骨から検出可能か否か調べたが、その他の薬物についても順次検討していく。
覚醒剤事例については通常、血中濃度が測定されているので、骨試料を用いてその含有量を分析し血中濃度との比較を行っていきたい。
研究環境の不整備については、他機関との協力体制を築き、補っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

年度途中での職場の異動で、その後の研究環境が不明のため物品購入を控えた。
新しい研究環境の整備状況に合わせて必要機材や物品等の選定を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 骨試料からの薬物検出の試み2018

    • 著者名/発表者名
      矢島 大介、安部 寛子、永澤 明佳、岩瀬 博太郎
    • 学会等名
      日本法中毒学会第37年会

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公開日: 2018-12-17  

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