研究課題/領域番号 |
17K09273
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
工藤 利彩 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20347545)
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研究分担者 |
羽竹 勝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40164842)
勇井 克也 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50783875)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エタノール / iEDHF / 血管機能 |
研究実績の概要 |
9週齢の雄性Wistarラットを用い、通常固形control食(S-control)群、Lieber’s control食(L-control)群とLieber’s エタノール食(EtOH)群の3群に分け、ともに10週間飼育した。 各群のラットから上腸間膜動脈を摘出し、輪状標本を作製した後、95%02-5%CO2を通気した37℃の等尺性張力測定装置の恒温バスに懸垂し、0.2gの張力を負荷し安定後、以下の実験に用いた。なお、すべての標本は、一酸化窒素とプロスタサイクリンの経路の影響を除外するため、一酸化窒素合成酵素阻害剤であるnitro-l-arginineおよびプロスタサイクリン阻害剤であるインドメタシン存在下で検討した。 標本に収縮惹起剤としてフェニレフリン(ph)を投与し、収縮が最大に達したところでアセチルコリンを段階的に投与し、等尺性張力変化を測定した。これらの弛緩反応は、2つ対照群に比べ、エタノール群で有意に増大したが、iEDHFの経路の阻害剤であるquinacrine、PD146176、AUDA存在下では、エタノールによる弛緩反応の増大は見られなかった。これらの結果から、慢性エタノール摂取による血管内皮細胞依存性弛緩反応の増大は、iEDHFの経路を介して引き起こされることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の実験計画通り実施した。適量飲酒モデルラットにおける弛緩反応の増大にiEDHFの経路が関与することが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に得られた成果をもとに引き続き研究を進め、さらに、電位感受性蛍光色素を用い、摘出血管の張力と血管平滑筋膜電位の同時測定を試みる。 iEDHFの経路に対するエタノールの詳細な作用機序を明らかにすることにより、適量飲酒による心血管病の予防効果を血管機能の観点から明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に購入予定であった落射蛍光顕微鏡 EVOS FL Cell Imaging System(Thermo Fisher Scientific K.K.)が、購入時にキャンペーンをしており、計画書作成時よりも安価で購入できたため。
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