合成カンナビノイドは「脱法ハーブ」として一時期大流行した濫用薬物であるが、その種類が多種多様であるため、いまだ十分に薬理学的研究が行われているとは言い難い。濫用者を検挙し公判で有罪とするためには、事件当時薬物の影響下にあったことが証明される必要があるが、今回の研究で、血中濃度と薬物の作用時間には著しい乖離があることが明らかとなった。また、血中濃度は低くても脳内濃度が高く、薬物作用が持続している可能性も示唆された。そのため薬物の血中濃度が低いからと言って一概に薬物の影響下になかったとは言えず、個別の事案ごとに慎重に対応する必要がある。
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