研究実績の概要 |
1.動物モデルでの抗動脈硬化作用と抗老化作用関連の証明-糖尿病モデルの検討(林,博士取得研究員2名)。①動脈硬化症は細胞老化を介し血管壁代謝,組織学的変化をもたらす。糖尿病ラットとして1型糖尿病(STZラット,高血糖の影響主体), 脂質異常症随伴2型糖尿病ラット(ZDFラット、高血糖+脂質異常症、内皮肥厚や脂肪線状あり)を用いた検討を発展させ論文化した。細胞老化はreplicative/stress induced senescence双方を検討し内皮はNO及び活性酸素等に着目した。加齢は細胞老化を介し血管壁内分泌代謝及び組織学的変化をもたらした。 ②上記における内皮,平滑筋,マクロファージ各細胞老化をtelomerase, Sir2,p53等老化関連分子の酵素活性及び遺伝子レベルの変動と,血管壁全体の老化による動物動脈硬化症との関連をみた。 ③糖尿病は血圧等の日内変動をなくす事を報告(2000,Int.Med.等)しており,研究員の線虫での日内変動の研究論文(Niwa etal.PNAS2013)を踏まえin vitro, in vivoの内皮細胞老化の日内変動との差を各種関連蛋白Per2等にて検討した。 ④糖尿病合併症評価-大血管合併症は大動脈を中心に検討、細血管症は腎臓を用い組織学及び機能より検討した。健康若齢ラット、加齢ラット(1.5年以上飼育)1型糖尿病モデルSTZラット、脂質異常症合併2型糖尿病モデルZDFラットで評価した。 2.surrogate markerによるヒトでの治験。倫理委員会にて研究承認後、老化指標マーカーtelomere長,関連するNO代謝物や各種サイトカインを外来糖尿病患者及び関連施設(有料老人ホーム、老人保健施設等、認知症がなく、基本的ADLが自立している方)約100名にて同意を得て採血し検討した。以上1、2双方論文化、学会発表を進めた。
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