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2018 年度 実施状況報告書

幼少期の体験に注目したより有効な慢性疼痛に対する認知行動療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09304
研究機関九州大学

研究代表者

安野 広三  九州大学, 大学病院, 助教 (30747994)

研究分担者 松下 智子  九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40618071)
細井 昌子  九州大学, 大学病院, 講師 (80380400)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード愛着スタイル / 線維筋痛症 / 慢性疼痛 / 安定型 / 恐れ型
研究実績の概要

【目的】近年、成人の慢性疼痛患者において、不安定な愛着スタイルが疼痛関連アウトカムの悪化と関連することが報告されている。しかし、愛着スタイルの線維筋痛症発症への影響については現在のところ十分に検討されていない。今回、慢性疼痛患者群において、愛着スタイルと線維筋痛症有病との関連について検討した。
【方法】対象は九州大学病院心療内科へ慢性疼痛を主訴に初診した成人女性患者195人。初診時の診断をもとに線維筋痛症とその他の慢性疼痛へ分類した。成人愛着スタイルについては、自記式質問紙であるRelationship Questionnaireを用いて、安定型、拒絶型、とらわれ型、恐れ型の4つのスタイルに分類した。愛着スタイルを説明変数、線維筋痛症を目的変数として、ロジスティック回帰分析を行った。安定型を参照として各愛着スタイルの線維筋痛症のオッズ比を算出した。年齢、教育歴、婚姻・経済的状況、感情関連変数(抑うつ・不安・破局化・失感情傾向)、対人関係関連変数(社会的スキル・医療不信)を調整変数とした。
【結果】線維筋痛症の割合は安定型17.3%,拒絶型29.2%,とらわれ型37.3%,恐れ型46.8%。各種変数で調整後の線維筋痛症のオッズ比は、安定型に比し恐れ型において有意な上昇を認めた(OR=3.71, 95%CI: 1.33-10.36)。
【結語】成人女性の慢性疼痛患者群において、愛着スタイルが線維筋痛症発症に関連する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

認知行動療法のプロトコールの検証や介入実施者の技術面を担保するためのトレーニングなどに時間を要していたため。

今後の研究の推進方策

現在、慢性疼痛患者に対するマインドフルネスに基づく認知行動療法のランダム化比較試験のプロトコール作成を進めているおり、当院の倫理委員会への提出を準備中である。

次年度使用額が生じた理由

慢性疼痛に対するマインドフルネスに基づく認知行動療法のランダム化比較試験の準備が遅れており、平成29~30年度は予備的な実施のみであったため、平成31年度から本格的
に実施を進める予定である。そのため、平成30年度使用予定額の一部を平成31年度で使用する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 【痛みの評価票と痛み診療】 痛み診療における各種評価票の臨床的意義2018

    • 著者名/発表者名
      安野 広三
    • 雑誌名

      ペインクリニック

      巻: 39 ページ: 551-556

  • [学会発表] 愛着スタイル別の線維筋痛症の割合―その他の慢性疼痛患者との比較-2019

    • 著者名/発表者名
      安野広三, 早木千絵, 西原智恵, 柴田舞欧, 岩城理恵, 須藤信行, 細井昌子
    • 学会等名
      第48回日本慢性疼痛学会
  • [学会発表] PC医のための心療内科入門 プライマリケア医のためのマインドフルネス2018

    • 著者名/発表者名
      安野広三
    • 学会等名
      第23回日本心療内科学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] The prevalence of fibromyalgia according to adult attachment style2018

    • 著者名/発表者名
      Kozo Anno, Chie Hayaki, Tomoe NIshihara, Rie Iwaki, Mao Shibata, Nobuyuki Sudo, Masako Hosoi
    • 学会等名
      17th World Congress on Pain
    • 国際学会
  • [学会発表] 慢性疼痛に対するマインドフルネスに基づく介入の効果予測因子:予備的研究2018

    • 著者名/発表者名
      安野広三,細井昌子,早木千絵,西原智恵,柴田舞欧, 岩城理恵,須藤信行
    • 学会等名
      第59回日本心身医学会総会
  • [学会発表] マインドフルネス:理論と実践2018

    • 著者名/発表者名
      安野広三
    • 学会等名
      第59回日本心身医学会総会
    • 招待講演
  • [図書] マインドフルネスを医学的にゼロから解説する本2018

    • 著者名/発表者名
      安野広三 他
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      日本医事新報社
    • ISBN
      4784947981

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公開日: 2019-12-27  

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