• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

Apop遺伝子制御に基づく健康寿命延伸方法の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17K09311
研究機関鹿屋体育大学

研究代表者

安田 修  鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (00372615)

研究分担者 福尾 惠介  武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40156758)
大石 充  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードミトコンドリア / 高齢者
研究実績の概要

Apop遺伝子はマウスの動脈硬化プラークに発現している遺伝子として発見された。機能が不明の遺伝子であったが、培養細胞を用いた研究によってアポトーシス(細胞の能動的な死)誘導能を持つことを明らかにし、Apoptogenic Protein (Apop)と名付けた。アポトーシスの誘導には細胞内小器官であるミトコンドリアが関与していることが知られている。Apopタンパク質はミトコンドリアに局在し、ミトコンドリアからアポトーシス誘導の引き金となるチトクロームCの放出を誘導することによってアポトーシスを誘導する。またApop遺伝子の発現を抑制した細胞ではミトコンドリアのエネルギー産生のもとになる物質であるNADHが上昇していた。このことからもApopがミトコンドリアにおけるエネルギー代謝に関わっていることが示されている。さらに詳細に機能を解析するため、Apop遺伝子を欠損したマウス(Apop KOマウス)を作成した。Apop KOマウスの外観は対照である野生型マウスと同じであり、形態形成におけるApop遺伝子の関与はないと思われる。他方、Apop KOマウスでCT断層撮影を行った結果、内臓脂肪の著名な減少が認められた。このことはApopKOマウスが脂質代謝に関わっていることを示している。内臓脂肪の蓄積は心血管系疾患の発症を増加させることが知られており、Apop発現を制御することで心筋梗塞や脳卒中と抑制できると思われる。これらの疾患は寝たきり等の高齢者の健康状態を大きく左右するため、Apop遺伝子発現が高齢者の健康寿命に影響しうることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Apop遺伝子を欠損したApop KOマウスの行動解析が順調に進行している。Apop KOマウスの外観は野生型マウスとの変化は見られないものの、内臓脂肪組織が縮小している。ほかにも行動様式が野生型マウスとは異なっていることが確認された。これらの結果はミトコンドリア蛋白質であるApopの発現が、ミトコンドリアの機能を介して脂肪組織ならびに行動に影響を与えていることを示唆している。

今後の研究の推進方策

Apop KOマウスにおていは行動ならびに運動量が野生型マウスと異なっていることが確認された。そこで引き続き行動解析を実施し、Apop KOマウスで観察されている行動変化についてより詳細に解析する。また電子顕微鏡を用いて、Apop KOマウスのミトコンドリア形態の解剖学的解析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

本年度に実施した解析によって、Apop KOマウスの行動様式の変化が明らかになった。そこで、本年度経費の一部を次年度の経費に合わせて使用することによって、次年度における解析を充実させ、更に詳細な行動解析を実施する計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Cardiovascular and renal protective role of angiotensin blockade in hypertension with advanced CKD: a subgroup analysis of ATTEMPT-CVD randomized trial2018

    • 著者名/発表者名
      Kim-Mitsuyama Shokei、Soejima Hirofumi、Yasuda Osamu、Node Koichi、Jinnouchi Hideaki、Yamamoto Eiichiro、Sekigami Taiji、Ogawa Hisao、Matsui Kunihiko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 3150

    • DOI

      10.1038/s41598-018-20874-4

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 腎機能と筋肉量の相関2018

    • 著者名/発表者名
      安田 修、藤井 康成、小牧 梨沙、添嶋 裕嗣
    • 雑誌名

      Campus Health

      巻: 55 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kumamoto Earthquake and health issues of the elderly2017

    • 著者名/発表者名
      Yasuda O、Ikeda Y、Ohishi M
    • 雑誌名

      Nihon Ronen Igakkai Zasshi

      巻: 54 ページ: 120-124

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Significance of Mitral Regurgitation after Aortic Valve Replacement in Severe Aortic Stenosis Patients2018

    • 著者名/発表者名
      Yasuda H、Yasuda O、Tsujita K
    • 学会等名
      The 82nd Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society
    • 国際学会
  • [学会発表] 若年アスリートにおける筋肉量と腎機能に関する解析2017

    • 著者名/発表者名
      安田 修、藤井 康成、小牧 梨沙、添嶋 裕嗣
    • 学会等名
      第55回全国大学保健管理研究集会
  • [学会発表] 歯周病菌はヒト動脈内に認められる2017

    • 著者名/発表者名
      副島 弘文、安田 修、中山 秀樹、辻田 賢一、小川 久雄
    • 学会等名
      第65回日本心臓病学会学術集会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi