研究課題/領域番号 |
17K09322
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
長谷川 浩 杏林大学, 医学部, 准教授 (00237984)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 軽度認知障害 / MCI / 安全運転 / 高齢ドライバー / ドライビングシミュレーター |
研究実績の概要 |
65歳以上の10%~20%に存在するとされる、軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)高齢者の安全運転法の確立は非常に重要である。これらの運転傾向、特徴を明らかにすることは極めて意義深いと考えられる。一般高齢者と軽度認知障害高齢者の運転行動の分析につき 独立行政法人自動車技術総合機構交通安全環境研究所自動車安全研究部との共同研究を行った。ドライビングシミュレーターを用い、一般高齢者および軽度認知障害(MCI)高齢ドライバーにとり支援が必要な場面を抽出する場面を設定した。シナリオとして市街地道路約1.3kmを1走行として8走行し、各走行において12種類のイベントを2回ずつ計24回行った(1.左から子どもの飛出し、2. 黄色信号、3. 見通しが悪い交差点の車の飛び出し、4. 先行車の減速、5. 自転車のはみ出し、6. 横断歩道で待機する歩行者といった6種類のイベント:単独で発生する場合と同時に別のイベントが発生する場合(計12種類))。結果としてMCI高齢者と、一般高齢者との間に大きな差は見られなかったものの、特にMCI高齢者では「歩行者がいるかもしれない」という予測に基づく行動が苦手であり、一度に同時に注意を払う必要がある場面において、遠くの事象への注意がおろそかになる傾向を認めた。また、単独のイベントでは自転車や歩行者といった小さな対象へ注意が向きにくい傾向であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で計画に基づいた研究がおこなわれている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本研究の参加者を増やすことにより、さらに精密な結果が得られるものと考えられる。一般高齢者のボランティアを募集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は主に共同研究者独立行政法人自動車技術総合機構交通安全研究部の施設を使用したため、実質的な支出額は定額であった。来年度は研究参加者の増加および杏林大学の施設利用もあるため、計画通りの支出を行う予定である。さらに対象参加者数を増やすために、簡易型ドライビングシュミレーターを用いる計画を立てており、未使用額をこれに対する費用に充てる予定である。
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