| 研究課題/領域番号 |
17K09325
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| 研究機関 | 昭和大学 |
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研究代表者 |
砂川 正隆 昭和大学, 医学部, 教授 (20514467)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 円皮鍼 / 鍼治療 / オレキシン / オキシトシン / 抗ストレス作用 / 社会的孤立ストレス |
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| 研究実績の概要 |
視床下部で分泌される神経ペプチド（オレキシンやオキシトシン）が様々な生理機能の調節に関与し，これらの分泌異常が種々の疾患を引き起こしている。本研究は，治療用鍼の一種である円皮鍼によるオレキシンやオキシトシンの分泌調節を介した生体の調節機能を明らかにすることを目的とした。
視床下部-下垂体-副腎皮質系，あるいは視床下部-交感神経-副腎髄質系のストレス反応の修飾にオレキシンやオキシトシンが関与し，ストレス負荷によってこれらの分泌異常が生じ，種々の愁訴や疾患の発生に関与している。まずは，ラット社会的孤立ストレスモデルを用い，円皮鍼による抗ストレス作用，ならびオレキシン，オキシトシン分泌の変化を検証した。
Wistar系雄性ラットをコントロール群，ストレスモデル群，ストレスモデルに円皮鍼（長さ0.3mm）ならび円皮鍼（同1.2mm）を貼付する群に分けた。ストレス負荷は8日間単独飼育することによって行い，Control群は1ケージに3~4匹のグループで飼育した。ストレス負荷開始から7日目に、PTN群には円皮鍼を、Stress群にはシャム鍼をヒト百会穴相当部位（頂門穴）に貼付した。実験8日目（貼付から24時間後），ストレス行動（侵入者に対する攻撃時間）の観察，血漿コルチコステロン，オレキシン，オキシトシン濃度の測定を行った。0.3mmの円皮鍼と比較し1.2mmで有意な抗ストレス効果が認められ，ストレス負荷によって高まったコルチコステロン，オレキシンならびオキシトシンの分泌が，1.2mmの円皮鍼で有意に抑制された。その後，経穴を変え（胃兪穴）検証したが抗ストレス作用は認められなかった。
円皮鍼の長さの違いによる効果の違いは報告されていない。また経穴の違いによっても効果が異なることが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の目標のひとつに，円皮鍼の使用方法の確立を挙げ，円皮鍼の最適な介入条件を検索した。使用する鍼の長さ（0.3, 0.6, 1.2mm, 対照として針先をカットした絆創膏のみ），経穴（他の経穴，非経穴部位との比較），期間（24時間，48時間，72時間）の条件をかえて，円皮鍼の抗ストレス作用の効果判定，オレキシン・オキシトシンの測定を行う予定であった。鍼の長さに関しては0.3mmと1.2mm，経穴に関してはヒト百会穴相当部位と胃兪穴相当部位とで比較した。なお，期間に関しては，現状では24時間のみ行った。行えていない介入条件に関しては，引き続き次年度に行っていく。
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| 今後の研究の推進方策 |
円皮鍼の介入条件の違いによる効果の違いについての検証は引き続き行っていく。
ストレスもその条件が変わると，オレキシンやオキシトシンの分泌傾向が異なる可能性がある。他のストレスモデル動物を用い，円皮鍼の抗ストレス作用，ならびオレキシン・オキシトシン分泌の変化を検証する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が若干遅れたため，使用額（ELISAキットの購入）が予定よりも少なくなりました。
遅れた分も既に4月より始めていますので，翌年分と合わせて使用いたします。
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