種々のストレスモデル動物を用い,鍼治療に用いられているの一種,円皮鍼の抗ストレス作用を検証した。また,ストレス反応の誘発に関与するオレキシンと抗ストレス作用を有するオキシトシンの変化を調べた。 円皮鍼は抗ストレス作用を示し,慢性ストレス負荷(一週間の社会的孤立ストレスモデル)によってオレキシン,オキシトシンの分泌が上昇したが,頭の頂点にあるヒト百会穴相当部位への円皮鍼治療によってこれらの上昇が有意に抑制された。一方,急性ストレスモデル(90分間の拘束ストレスモデルや急性疼痛モデル)では,逆にオレキシン,オキシトシンの分泌が低下したが,円皮鍼治療によってこれらの低下が抑制された。
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