研究課題/領域番号 |
17K09326
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
櫻井 博文 東京医科大学, 医学部, 教授 (60235223)
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研究分担者 |
羽生 春夫 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10228520)
清水 聰一郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (10385031)
平尾 健太郎 東京医科大学, 医学部, 講師 (40516639)
馬原 孝彦 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (70266477)
金高 秀和 東京医科大学, 医学部, 講師 (90385021)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 介護者教育 / 介護負担感 / 介護うつ / 認知症 / BPSD |
研究実績の概要 |
目的: 介護者教育が、介護者の介護負担感・QOL・介護うつに及ぼす効果、さらに認知症患者のBPSDに及ぼす効果を検討した。 方法: 介護者教室では、認知症の理解を深め、BPSDへの対応の仕方を学び、介護保険サービス案内などの介護者教育を1回90分2か月連続で行った。介護者教室に参加した介護者47名と参加しない介護者36名に対し、開始時、3ヵ月後、1年後に介護状況調査、CES-Dによる抑うつ評価、Zarit介護負担尺度日本語版(J-ZBI)、EQ-5Dによる介護者のQOL評価を行った。認知症患者に対しては、MMSE、Neuropsychiatric Inventory (NPI) によるBPSD評価、EQ-5Dによる患者のQOL評価を行った。 結果: 介護者教室に参加した介護者では、参加前にCES-Dで抑うつを示した介護者は36%で、受講3か月後には17%と半減したが、1年後には45%と増加した。介護者教室受講前(47名)のCES-D(14.5)、J-ZBI(31.7)は、受講3か月後(36名)は、CES-D(12.1)、J-ZBI(27.7)と有意に改善した。しかし、受講1年後(20名)には、CES-D(13.1)、J-ZBI(28.5)と有意差はみられなかった。一方、介護者教室に参加しない介護者における開始時(36名)のCES-D(12.4)、J-ZBI(24.9)は、3か月後(22名)にCES-D(16.0)、J-ZBI(35.6)と有意に悪化し、受講1年後(11名)においてもCES-D(19.6)、J-ZBI(36.1)は開始時からの有意な悪化が認められた。 結論:介護者教育は受講後3か月後において介護者の抑うつと介護負担感の改善に効果があったが、1年後は開始時に並ぶ抑うつ感と介護負担が認められた。介護者教育を受けていない介護者は3か月後、1年後に抑うつ感と介護負担が増加した。以上より、定期的な介護者教育が望まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介護者教育に参加した介護者と参加しない介護者の登録,開始時,3ヵ月後に加えて,1年後のデータ収集と解析が順調に行われた.
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今後の研究の推進方策 |
国内学会、国際学会での発表、論文作成を予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
症例登録や解析に使用した金額が予想より少なかった. 次年度は,国内の学会発表と海外の国際学会での発表,論文作成を予定している.
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