GHS-R1a/PLA2G16が発現している数種類の消化管癌細胞株について、細胞増殖、アポトーシスに与えるGHS-R1aアゴニスト(グレリン)およびインバースアゴニスト(SPアナログ)の影響を検討したが安定した結果が得られなかった。このため実験予定を変更し、GHSR1aを安定的に発現したHEK293細胞を作製して解析をおこなった。まずHEK293細胞においてGHS-R1aとAdPLAの結合性を再確認したところ、GHS-R1a とAdPLAの結合が再確認された。しかしながら、β2アドレナリン受容体とAdPLAとの結合は確認されなかったことから、GHS-R1a とAdPLAの結合は特異的であることが明らかとなった。GHSR1a安定発現HEK293細胞にSRE-ルシフェラーゼおよびCRE-ルシフェラーゼを導入した細胞を用いた検討において、グレリンにより誘導されるSREおよびCRE-レポーター活性上昇は、AdPLAの共発現により変動しなかった。このことから、AdPLAはGHS-R1aを介した情報伝達に対し影響を及ぼさないと考えられた。
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