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2019 年度 実績報告書

サイトカインプロフィール解析による食道アカラシアの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09351
研究機関九州大学

研究代表者

伊原 栄吉  九州大学, 医学研究院, 准教授 (80612390)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード食道赤ラシア / 高解像度食道内圧検査 / サイトカインプロフィール / 経口内視鏡的筋層切開術
研究実績の概要

本研究の目的は、食道アカラシアの3つのサブタイプ (Type I、Type II、Type III)の食道粘膜及び筋層に発現するサイトカインプロフィールの観点から各サブタイプ間の関連性及びその病態を解明することであった。2017年2月から2020年3月まで、食道アカラシア 78例 (Type I 22例、Type II 46例、Type III 10例)を登録した。また、対照群(食道癌にて食道切除術を受けた患者) 20例を登録した。食道体部粘膜において、アカラシア群は対照群と比較して、Th1関連サイトカインであるTNF-α(p<0.0001)、IL-1β (p=0.0135) 及びIL-12B (p=0.0126)の有意な発現増加を認めた。さらにTh17関連サイトカインであるIL-17A (p=0.0228)、IL-23A (p=0.05)及びIL-6 (p<0.0001)の有意な発現増加を認めたが、Th2関連サイトカインの有意な発現増加は認めなかった。サブタイプ別では、Type IとType IIはTh1とTh17の両方が上昇していたが、Type IIIはTh1の発現増加は認めずTh17のみ増加を認めた。一方、食道体部筋層において、アカラシア群は対照群と比較して、M3受容体の発現傾向(p=0.054)、そしてcholine acetyltransferaseの発現低下を認めたが (p=0.002)、各サブタイプ別においても同様の結果が得られた。また下部食道括約筋において、アカラシア群は対照群と比較して、M2受容体の発現増加を認め、各サブタイプ別において、Type IIIはM2の発現上昇に加えM3の発現増加を認めた。サイトカインプロフィールを用いた判別分析を行ったところ、対照群と食道アカラシア各サブタイプ間のサイトカインプロフィールは有意に異なることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of different receptor subtypes in prostaglandin e2-induced contraction and relaxation in the lower esophageal sphincter and esophageal body.2019

    • 著者名/発表者名
      Bai X, Ihara E, Otsuka Y, Tsuruta S, Hirano K, Tanaka Y, Ogino H, Hirano M, Chinen T, Akiho H, Nakamura K, Oda Y, Ogawa Y
    • 雑誌名

      Eur J Pharmacol

      巻: 857 ページ: 172405

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2019.172405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical characterization of vonoprazan-refractory gastroesophageal reflux disease.2019

    • 著者名/発表者名
      Hamada S, Ihara E, Ikeda H, Muta K, Ogino H, Chinen T, Tanaka Y, Ogawa Y
    • 雑誌名

      Digestion

      巻: In press ページ: In press

    • DOI

      10.1159/000503340.

    • 査読あり
  • [学会発表] 下部食道括約筋部の粘膜及び筋層組織に発現するサイトカインプロファイルによるアカラシアサブタイプの病態解析2019

    • 著者名/発表者名
      向井康二、伊原栄吉、鬼丸学、井上晴洋、小川佳宏
    • 学会等名
      第61日本平滑筋学会総会

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公開日: 2021-01-27  

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