研究実績の概要 |
本年度は、胃癌細胞株13種(KATOIII, MKN', MKN28, MKN45, MKN7, NUGC-3, NUGC-4, SUN-1, SUN-16, NCI-N87, GCIY, HGC27, OCUM-1)を用い、PD-L1蛋白の発現をWestern blotにより解析した。MKN7, NUGC-3でPD-L1の強い発現を確認できたた。 次に、これらの13種類の胃癌細胞株を用い、CUL3ノックダウンによりPD-L1の発現が増大するかについて検討した。CUL3ノックダウンには2種類のsiRNAを用いた。PD-L1が強く発現しているNUGC-3ではCUL3ノックダウンにより、PD-L1の発現がさらに増強した。さらにMKN28, NUGC-4では、PD-L1の発現はほとんどみられなかったが、CUL3ノックダウンによりPD-L1が発現した。一方、NCI-N87では、CUL3ノックダウンによりPD-L1の発現が低下した。残りの胃癌細胞株については、CUL3ノックダウンによりPD-L1発現に変化は認めなかった。なお、これらの実験は2種類のsiRNAを用いて検討しており、2種のsiRNAで結果が一致していることが確認できた。今後は、これまの検討にからCUL3の発現とPD-L1の発現に関連を認めた細胞株を中心に、PD-L1の発現と関連したBTB蛋白の探索を行い、PD-L1の発現をコントロールしているCUL3-BTB蛋白軸の同定を試みる。
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