研究課題/領域番号 |
17K09357
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
城 卓志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 名誉教授 (30231369)
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研究分担者 |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
久保田 英嗣 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30405188)
日吉 裕美 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10406530) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 胃癌 / CUL3 / PD-L1 |
研究実績の概要 |
これまでに、CUL3発現と、PD-L1発現に関連を認めた胃がん細胞株、NUGC-4、NCI-N87を同定し、これらの細胞株を用いた検討により、CUL3 siRNAによるPD-L1の細胞内局在変化が細胞株により異なること、具体的には、NCI-N87ではCUL3 knockdownにより細胞膜に存在していたPD-L1が消失し、一方、NUGC-4ではCUL3 knockdownにより細胞膜でのPD-L1の発現が惹起されることを見いだした。なお、細胞の形態や運動能、増殖能についてはCUL3 knockdownによる明らかな変化は認めていない。 アルファスクリーンシステムを用いたPD-L1の発現制御におけるCUL3のパートナーとなりうる候補因子であるヒト183種のBTBPの網羅的な探索により明らかとなった複数種のBTBPのsiRNAを作成し、細胞株への影響について検討したところ、BTBPのknockdownでは、PD-L1の発現に変化のパターンがCUL3のknockdownとは異なり、またその一方で、CUL3 kncokdownとは異なり、細胞増殖能や細胞運動能の抑制が誘導される結果であった。また細胞増殖能や細胞運動能へのBTBPknockdownの影響についても、細胞株特異性が認められた。このような、CUL3 kncokdownとBTBP knockdownでの細胞に与える影響が異なる原因について研究をすすめた。CUL3およびBTBPのknockdown によるmRNA発現変化変化をマイクロアレイを用いて網羅的に解析したところ、CUL3とBTBPの knockdownでは異なる遺伝子発現パターンが確認され、CUL3およびBTBPは結合し作用するものの、PD-L1の発現を含む細胞制御において各々が単独で異なる作用を有していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染の影響で、実験の遂行に支障が生じ研究の進展が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにCUL3とBTBPは結合すること、しかし一方で各々の knockdownではPD-L1発現への作用および異なる遺伝子発現パターンが確認されること、また細胞株の種類に応じて結果が異なることが明らかとなっている。今後は、このような現象の原因について、探索を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により実験の遂行に支障が生じ、次年度に使用額が生じた。
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