研究課題/領域番号 |
17K09359
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大谷 恒史 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30597555)
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研究分担者 |
灘谷 祐二 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (00634007)
谷川 徹也 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70423879)
渡邉 俊雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50336773)
藤原 靖弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40285292)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胃癌 / 自然リンパ球 / IL-17 |
研究実績の概要 |
平成30年度は主にマウスの胃癌モデルを作成し、その粘膜組織中の単核球 (lamina propria mononuclear cells: LPMC) および胃組織を用いて検討を行った。一般的に動物を用いた胃癌の作成は困難とされているが、Namらの方法に従い (Nam KT et al. Clin Can Res, 2004)、4週齢のC57BL/6JマウスにN-methyl-N-nitrosourea (MNU) 200 ppm 1週間経口投与を隔週で計5回繰り返し、その後H. pylori (SS-1株) を3回経口感染させて作成したところ、肉眼的な視認は困難であったが病理学的に胃癌の発生を確認することができた。そのコントロール群として胃炎単独群を4週齢のC57BL/6JマウスにH. pylori (SS-1株) を3回経口感染させて作成した。H. pylori感染56日後に胃炎群および胃癌群のマウスを屠殺して胃を取り出し、胃組織を採取した。collagenase処理後、粘膜組織中のLPMCをPercollによって密度勾配遠心分離して単離した。LPMCの分離については研究期間内に完成することができたと考えている。現在LPMC中のILC3細胞集団の発現について、フローサイトメトリーを用いて解析を行っている。また胃癌発生におけるIFN-γ、IL-17、IL-22 といったサイトカインの発現、さらにこれらのサイトカインによって誘導されるケモカイン (KC、MIP2)、血管新生因子 (bFGF、HGF、VEGF) の発現について、定量的real-time RT-PCR 法によって測定を行っている。胃組織中のプロスタグランジン (PGE1、PGE2) 含有量についてはenzyme immunoassay (EIA) 法によって測定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの胃癌モデルを作成するのに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後LPMC中のILC3細胞集団の発現および胃癌発生におけるサイトカイン、ケモカイン、血管新生因子の発現について解析を進めていく予定であり、さらにノックアウトマウスを使用して胃癌発生におけるILC3の機能を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)本年度はすでにあった実験室の備品や動物で実験可能であったため、費用が抑えられた。 (使用計画)次年度ノックアウトマウスを用いた実験を予定しており、主にその費用に充てる予定である。
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