研究成果の概要 |
本研究の目的は、炎症性腸疾患(IBD)の病態における腸内細菌を介した制御性B細胞(Breg)誘導の分子メカニズムの解明である。自然免疫レセプターTLR2,4,9欠損マウスの腸管B細胞を検討したところ、TLR2欠損B細胞のみ細菌刺激によるIL-10産生能が低下し、エフェクターT細胞の炎症性サイトカイン産生を抑制できず、移入しても腸炎モデルマウスの腸炎を抑制しなかった。そこで、このTLR2依存的IL-10産生の抑制メカニズムを解析したところ、PI3Kp110dのシグナル伝達が重要であることを発見した。本研究成果によりBregが腸内細菌を介してIBDの病態に関わる機序の一部を解明できたと考える。
|