研究課題/領域番号 |
17K09384
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡 志郎 広島大学, 病院(医), 講師 (30403538)
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研究分担者 |
田中 信治 広島大学, 病院(医), 教授 (00260670)
卜部 祐司 広島大学, 病院(医), 助教 (10648033)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | カプセル内視鏡 / 膠原病 / angioectasia |
研究実績の概要 |
対象患者を慢性関節リウマチのみでは十分な症例数の確保が困難なことから、対象を膠原病患者全体に広げて検討中である。2019年2月までにカプセル内視鏡検査を施行した膠原病患者は、慢性関節リウマチ25例(女性18例,平均年齢74歳),全身性強皮症43例(女性40例,平均年齢64歳),全身性エリテマトーデス12例(女性10例,平均年齢50歳),その他7例(女性5例,平均年齢63歳)別にカプセル内視鏡の平均通過時間,全小腸観察率,小腸病変指摘率と病変の内訳を検討した。カプセル内視鏡検査はCOVIDIEN社製PillCam SB2/SB3を使用した。カプセル内視鏡検査の施行理由は,膠原病科から小腸精査依頼58例(67%),原因不明の消化管出血精査29例(33%)であった。カプセル内視鏡検査の平均消化管通過時間(食道-胃-小腸)は,慢性関節リウマチ 9-55-280分,全身性強皮症 25-41-271分,全身性エリテマトーデス 6-52-227分と全身性強皮症で食道通過時間が有意に長かった。全小腸観察率は,慢性関節リウマチ 56% (14/25),全身性強皮症 65% (28/43),全身性エリテマトーデス 92% (11/12)で慢性関節リウマチが有意に低かった。小腸病変指摘率は,慢性関節リウマチ 64% (16/25),全身性強皮症 42% (18/43),全身性エリテマトーデス 50% (6/12)で,病変の内訳は,慢性関節リウマチ: 発赤/びらん8例(32%),潰瘍7例(28%),angioectasia 1例(4%),全身性強皮症: angioectasia 9例(21%),発赤/びらん5例(12%),潰瘍4例(6%),全身性エリテマトーデス: 発赤/びらん4例(33%),angioectasia 1例(8%),潰瘍1例(8%)であった。今後、さらに症例数を増やすとともに、今後、各消化管粘膜の生検組織やカプセル分光画像所見などを含めて病理学的および基礎的見地から検討・解析予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象となる慢性関節リウマチ患者のリクルートが十分でなく、十分な解析が困難な状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者を慢性関節リウマチのみでは十分な症例数の確保が困難なことから、対象を膠原病患者全体に広げて症例のリクルートと解析を行う予定である。
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