PARP 阻害剤は,次世代の抗腫瘍薬として注目されているが,その単剤での効果は十分とはいえず,より効果的な治療法の検討が必要と考える.我々は,テモゾロミド(TMZ)は PARP 阻害剤と相乗効果を示し,併用薬の候補であることを報告してきた.また,TMZ 単剤においては,O6-メチルグアニン-DNA メチルトランスフェラーゼ(MGMT)の発現,マイクロサテライト不安定性(MSI)による感受性の影響が報告されている.本研究では大腸癌における,PARP 阻害剤,TMZ 感受性の関連遺伝子の解析を進める.また臨床検体を用いた関連遺伝子の発現・変異の解析により,PARP 阻害剤,TMZ の大腸癌に対する臨床の場での個別化治療の確立を目指し実験を遂行した。実験はおおむね順調に施行することができたため、今後これらの解析結果を英文誌に報告する予定である。
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