慢性肝疾患は、重篤な合併症を伴う肝硬変状態に至る。これまでに我々は、多分化能および免疫修飾機能を有する間葉系幹細胞について、その投与による肝炎、肝硬変に対する治療の可能性を示してきた。本研究では、肝疾患状態にある成体の脂肪組織由来間葉系幹細胞、間質細胞の特性を解析することを目的に、動脈硬化高脂肪食(AT-HF)給餌によるNASH・肝硬変マウスモデル、および単純性脂肪肝(SS)マウスモデル(給餌後4週、12週後)より脂肪組織由来間質細胞群を経時的に採取し、非培養の細胞の幹細胞関連の抗原の発現、遺伝子発現プロファイルを解析した。慢性肝疾患状態における脂肪組織由来間質細胞特性の基礎データを獲得した。
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