| 研究課題/領域番号 |
17K09418
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
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研究代表者 |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (10378052)
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| 研究分担者 |
後藤 秀実 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10215501) [辞退]
廣岡 芳樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (50324413)
石上 雅敏 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90378042)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 腸内細菌 / NASH / 肝癌 |
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| 研究実績の概要 |
短期に肝癌を発症するマウスNASHモデルにおいて非B非C肝癌に関連する腸内細菌を同定し、薬剤の効果を検証すると同時にそのメカニズムを解明することを目的とし研究を行っている。
肝癌の発生率を高くするため初期の発癌イニシエーターとしてDiethylnitrosamine（Den）を投与し、その後Choline deficient high diet (CDHF)を投与し線維化を促進することで発癌を早期に起こすモデルを使用した。マウスの幼少期にDenを投与し、CDHFを20週投与し線維化及び発癌を来す群(DEN＋CDHF群)、線維化の無い群としてDEN＋Choline sufficient high fat diet (CSHF)を20週投与した群（DEN＋CSHF群）とDENを投与せずCDHFを20週投与した発癌率の低い群(CDHF群)、コントロールとしてCSHF群を比較検討した。解剖時の糞便からDNAを抽出し16SrRNA遺伝子のV3-4領域を増幅してIllumina Miseqにより測定した。DEN＋CDHF群では87.5％に肝癌がみられ、CDHF群では22.2%に発癌がみられた。 一方、DEN＋CSHF群及びCSHF群では肝癌がみられなかった。線維化促進による発癌の促進に関して、腸内細菌の違いはDEN＋CDHF群で属レベルにおいてLactobacillus, Sutterellaなどが増加し、Akkermansiaなどが低下していた。一方イニシエーターとしてのDENの有無による腸内細菌叢の違いはDEN＋CDHF群で属レベルではDoreaなどが有意に増加し、Bifidobacteriumが有意に減少していた。線維化の進行するCDHF群ではCSHF群と比較してClostridiumが有意に増加していた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
安定して肝発癌を起こすマウスモデルの探索に時間が必要であったが、腸内細菌叢との関連が分かり、その機序に関しての解析をすすめている。NASHモデルでの治療介入研究も同時に行って結果を得ているため、最終年度で当初予定したマウスNASHモデルにおける肝癌への治療介入が遂行できると考える。
人からの検体の回収は着実にすすんでおり、最終年度には当初予定していた検体数以上の検体が回収できる予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
プレバイオティクス（オリゴ糖）をNASHモデルに投与した検討では糞便中のClostridiumの減少とBifidobacteriumの増加が見られている。また同時にWestern DietにCCl4を24週投与する他のモデルを継続して予備実験中である。
これら2つのモデルにおいてプレバイオティクスなどによる治療介入をおこなう。
人における検体を更に増加して非B非C肝癌例と非癌症例の多数例で比較し、更にマウスと人の研究結果の比較を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
介入試験による糞便からのメタボローム解析を予定していたが、翌年度に測定をすることになったため。
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