研究課題/領域番号 |
17K09419
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
竹井 謙之 三重大学, 医学系研究科, 教授 (10306954)
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研究分担者 |
江口 暁子 三重大学, 医学系研究科, 特任助教(研究担当) (00598980)
山本 憲彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60501963)
長谷川 浩司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90737008)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルコール性肝障害 / 動脈硬化 / 細胞外小胞 / サルコペニア |
研究実績の概要 |
メタボリックシンドロームを基盤とするアルコール性肝障害と動脈硬化症には深い関連があるが、このメカニズムの全容は明らかにされていない。申請者らはアルコール性肝炎マウスにおいて障害肝細胞が細胞外小胞を放出することを報告しており、肝由来の細胞外小胞が病態情報を小胞に閉じ込めて(病原性情報エントロピーを低く保つ)血管内皮細胞に伝播することで動脈硬化症に寄与する可能性を見出した。そこで本研究では、肝由来の細胞外小胞が動脈硬化症を誘発する機構の解明や細胞外小胞成分を解析し動脈硬化症誘発を阻害する治療標的の探求と動脈硬化症を予測するバイオマーカーの開発を通し、「細胞外小胞を介した病態情報伝播による動脈硬化症の病態連繁の解明」を行うことを目的とした。 本年度は、アルコール性肝炎マウスモデルを用いて解析を行った。その結果、短期間のアルコール投与では動脈硬化症の症状は軽微にとどまったものの、骨格筋に様々な変化が生起することが観察された。アルコール性肝障害においては、動脈硬化症とサルコペニアの合併が知られており、これら3つは極めて密接な連繋を持ちつつアルコール性肝障害における全身の病態形成にかかわることが強く示唆された。動脈硬化症のみならずサルコペニアにおいても我々の研究テーマである肝細胞由来の細胞外小胞が臓器間病態情報伝播体として重要な役割を果たす可能性があり、細胞外小胞を基軸とした「アルコール性肝障害・動脈硬化症・サルコペニア」の病態とメカニズム解明へ展開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、アルコール性肝炎マウスモデルを用いた検討で、軽微な動脈硬化症の発症に加え、骨格筋に様々な病的変化が起こることを見出した。肝障害、動脈脈硬化症とサルコペニア、これら3つは極めて密接な連繋を持ちつつアルコール性肝障害における全身の病態形成に寄与することを示す極めて興味ある知見が得られつつある。
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今後の研究の推進方策 |
アルコール性肝炎マウスモデルを用いた解析から、短期間のアルコール投与では動脈硬化症は軽微にとどまったものの、骨格筋に様々な変化が生起することが観察された。アルコール性肝障害、動脈硬化症とサルコペニア、これら3つは極めて密接な連繋を持ちつつ全身の病態形成にかかわることが示唆された。動脈硬化症のみならずサルコペニアにおいても我々の研究テーマである肝細胞由来の細胞外小胞が臓器間病態情報伝播体として重要な役割を果たす可能性があり、細胞外小胞を基軸とした「アルコール性肝障害・動脈硬化症・サルコペニア」の病態とメカニズム解明へ展開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度の検討で、肝障害、動脈硬化症とサルコペニア、これら3つが極めて密接な連繋を持ちつつアルコール性肝障害における全身の病態形成にかかわることを示唆する興味ある知見が得られた。動脈硬化症のみならずサルコペニアにおいても我々の研究テーマである肝細胞由来の細胞外小胞が臓器間病態情報伝播体として重要な役割を果たす可能性があり、細胞外小胞を基軸とした「アルコール性肝障害・動脈硬化症・サルコペニア」の病態とメカニズム解明へ展開するべく、予備的な実験を行い準備を行った。その結果、主たる本実験を平成31年度に行う計画となり、平成30年度の予算の一部を次年度(平成31年度)使用額とした。
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