研究課題
我々が実施している非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞を用いた再生療法(先進医療B「自己骨髄細胞投与療法」と臨床研究「培養自己骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いた低侵襲肝臓再生療法」)の知見から、さらに治療効果と安全性を高めた肝臓再生療法を開発するには「高機能・高品質な骨髄MSC」が必要であると考え、研究を進めている。また、これまでにThioacetamide(TAA)で酸化ストレスを誘導した初代肝細胞と骨髄MSCの共培養実験から骨髄MSCには肝細胞由来Reactive Oxygen Species(ROS)産生を抑制する直接的作用があることや、「高い細胞増殖活性とコラゲナーゼ活性を持つ骨髄MSCを培養可能な培養皿(特許第5935477号)」の解析から「骨髄MSC増殖促進因子(Mesenchymal proliferation factors, MPFs)」を見出している。今年度は、全骨髄細胞由来因子を含む培地(全骨髄調整培地)で培養した骨髄MSCは、通常培地と比べて良好な増殖能とコロニー形成能を長期にわたって維持したが、細胞外小胞を除去することにより、これらの効果は減弱することを見出した。さらに全骨髄調整培地による骨髄MSC培養はミトコンドリア機能を改善させることも確認し、関与するmicroRNAを複数同定した。このように、全骨髄細胞由来microRNAによって骨髄MSCミトコンドリア機能が改善(維持)するため、この方法で培養した骨髄MSCは肝臓再生療法の有効な細胞源となりうる。
2: おおむね順調に進展している
新たに全骨髄細胞由来因子を含む培地(全骨髄調整培地)で培養した骨髄MSCに注目して解析した結果、高機能な骨髄MSCが培養可能となることが明らかになったため。
最終年度は、全骨髄細胞由来因子を含む培地(全骨髄調整培地)で培養した骨髄MSCの肝線維化改善効果を動物モデルを用いて検証し論文化する。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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