研究課題/領域番号 |
17K09431
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
三馬 聡 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30437892)
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研究分担者 |
山本 一男 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (70255123)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Largen遺伝子 |
研究実績の概要 |
Largen発現による抗腫瘍効果は、好気性代謝へのエネルギー代謝シフトにより、癌細胞のワールブルグ効果を破綻させることによると想定している。本研究では、Largen発現が肝細胞癌に対し抗腫瘍効果を有すること、及び上記機序を肝癌細胞株、遺伝子改変マウスを用いた研究により明らかにする。研究計画に沿い、平成29年度は下記について検討を行った。 [1] Largen発現量変化が肝癌細胞株phenotype、ワールブルグ効果に与える影響の解析: Largenを一過性に肝癌細胞株(Huh7細胞)に発現させたところ、5-10%の細胞径の増加とともに、ミトコンドリア機能活性化、細胞内ATP産生増加が認められた。さらに検討が必要であるが、これらは肝癌細胞株においてもLargenの発現はphenotypeに影響し、恐らくは好気性代謝へのシフトによるワールブルグ効果の破綻を肝癌細胞にもたらし抑制的に働く可能性を示唆している。続いてLargenを定常発現させた肝癌細胞株(HepG2細胞)における増殖能変化を解析したところ、Largen定常発現細胞では細胞増殖の抑制が認められた。今後、Flux analyzerによる解析も行っていく予定である。
[2] Largen強制発現がDEN誘導肝発癌モデルマウスに与える抗腫瘍効果の解析: 肝臓特異的largen強制発現マウス、tamoxifen誘導Largen強制発現マウスを作成中であったが肝臓におけるLargen発現が不十分であったため、再度同マウスについては作成を行っている。平成31年度には予定している解析が行えるものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子改変マウスの作成が少し遅れているため。 ただすでに新たに作製されており、今後の研究は速やかに行えると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画の予定通りに進めて行く予定である。 具体的には、Largen定常発現株の代謝能をFlux analyzerにより測定を進め、また遺伝子改変マウスを用いた発癌抑制研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Largen遺伝子発現肝がん細胞株のFlux analyzerを用いた検討をまだ施行しておらず、また遺伝子改変マウス研究も少し進捗が遅れているため、次年度使用額として計上している。 主には、Flux analyzeの測定キット購入、及びマウス管理、マウス肝組織よりのRNA抽出キット、PCR消耗品などの支出に当たる予定である。
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