肝細胞癌は慢性肝炎・肝硬変を背景にして発生する代表的な炎症性発癌である。本研究ではフルクトースや脂質過剰摂取による脂肪肝モデルマウスを用いて腸内細菌叢構成の異常(Dysbiosis)が脂肪肝、肝発癌に与える影響や腸管バリア機能に与える影響の検討を行った。フクルトース過剰摂取群で腸管透過性が亢進し、門脈血中のLipopolysaccharide(LPS)濃度は高い傾向を認め、さらに肝内前癌病変が増加していた。食餌内容の違いにより引き起こされた腸管バリア機能異常が肝発癌に影響を与えている可能性が示唆された。
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