研究課題
本研究は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)由来肝細胞癌(HCC)の病態進展機序における腸内細菌及び腸管由来エンドトキシン(ET)の役割を検討することである。NASH由来HCCモデルマウスとして, high fat diet(HFD)及びdiethylnitrosamine(DEN)をB6マウスへ投与したモデルを用いた。1)ヒトNASH類似HCCモデルマウスの便メタゲノム解析:NASH由来HCCモデルマウスの便及び非HCCマウスの便検体を用いて、NGS(Illumina MiSeq)を用いたメタゲノム解析を行ったところ、ヒトHCC患者同様、HCCモデルマウスの便中では非HCCマウスに比しFaecalibacteriumの占拠率が低下していた。2)ヒトNASH類似HCCモデルマウスへのFecalibacterium投与による検討;NASH由来HCCモデルマウスに対してゾンデを用いてFecalibacteriumの経口投与を行ったところ、HCCの個数の減少及び大きさの低下を認めた。3)ヒトNASH類似HCCモデルマウスにおけるFITC dextranを用いた腸管透過性の評価;ヒトNASH類似HCCモデルマウスでは、FITC dextranを用いた腸管透過性実験において、非発がんマウス(普通食負荷B6マウス)に比し腸管透過性が亢進し、かつFecalibacteriumの投与により腸管透過性が改善することを示した。また、同時に腸管透過性に関与するZo-1やClaudinの改善も認めた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件)
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