研究課題/領域番号 |
17K09439
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
野口 隆一 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30423908)
|
研究分担者 |
浪崎 正 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20526850)
吉治 仁志 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40336855)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | NASH / equol / 腸内細菌 / 肝線維化 |
研究実績の概要 |
いまだ有効な治療薬のないNASH (nonalcoholic steatohepatitis;非アルコール性脂肪肝炎) において、我々はこれまで基礎的研究にて腸内細菌と肝疾患進展 への影響、いわゆる腸肝相関の病態を明らかにしてきた。腸内細菌によって大豆イソフラボンが代謝され産生されるエクオールは、エストロゲン様作用を有し、 糖・脂質代謝に影響することが報告されている。一方で、日本人の約50%が腸内細菌叢により体内でエクオールを産生できないことが知られており、NASHとの関 係においては報告がない。本研究では、NASHの発症進展に関わる腸内細菌の影響とエクオールの効果を基礎的・臨床的に解析を加え、新規治療の確立を目指す。 CDAA投与実験的NASHモデルラットにおいてエクオール投与群では肝内TGF-βの低下を伴い、有意な肝線維化抑制作用を認めた。エクオールは、膵臓β細胞からのグルコース誘発インスリン分泌を促進することが知られており、GLP-1分泌を抑制する可能性が報告された(Biochem Biophys Res Commun. 2018 Jul 2;501(4):1009-1015.)。引き続き、2型糖尿病自然発症ラットを用いた肝線維化モデルを用いて糖代謝とエクオールの関連を検討する。 また、エクオール産生能とNAFLD・NASHの病態進展の関連について、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会に申請受理され、現在臨床検体を収集している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エクオール産生能とNAFLD・NASHの病態進展の関連について奈良県立医科大学医の倫理審査委員会に申請受理され、現在臨床検体を収集しているが、登録例のが まだまだ少ない。
|
今後の研究の推進方策 |
登録蓄積とともに臨床検体解析数を増加させ信頼しうるデータ構築し、解析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた動物実験モデルのpreliminary dataが出ないため、本実験にかかる費用が少ないことによるが、最終年度で使用予定である。
|