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2019 年度 実績報告書

TCF-4/CLAUDIN-2/HES1軸による肝癌幹細胞様形質制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K09445
研究機関久留米大学

研究代表者

古賀 浩徳  久留米大学, 医学部, 教授 (90268855)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードT-cell factor-4 / TCF-4 / Wnt / Claudin-2 / 肝細胞癌 / Hes1
研究実績の概要

本研究では,Wnt-Notchシグナルcrosstalkを,HES1発現制御に焦点を当てて解析していった.まず,「SxxSSモチーフ」欠失型TCF-4 isoform JによってCLAUDIN-2 (CLDN2)の発現亢進が惹起される所見を起点とした.「SxxSSモチーフ」を有するK型mutantsを過剰発現させた肝癌細胞株を作成し,接着および浮遊(sphere)条件下でのCLDN2およびHES1のmRNAと蛋白の発現レベルを検討した.その結果,TCF-4Jのsphereでほぼ特異的に見られたCLDN2,HES1発現増強は,TCF-4K-mutant 273Aで再現された.したがって,とりわけHES1発現制御機能はTCF-4におけるSxxSSモチーフの欠損あるいはSer273のリン酸化によって制御されている可能性が示唆された.次にCLDN2がHES1発現のeffectorであるかを確認するため,CLDN2をノックダウンしてsphere形成能や種々のCSC関連分子の挙動を検討したところ,sphere形成・造腫瘍能およびNANOG発現の著しい低下を認めたものの,HES1の低下は見られなかった.したがって,HES1は,特異なTCF-4 isoformによって制御されてはいるが,それは細胞膜上における分子間相互作用を経由する核へのシグナルリレーに依存するのではなく,核内での相互作用によるものである可能性が示唆された.これは,予備実験で得られていたCLDN2/JAGGED-1の直接的会合が,Wnt系からのシグナルをNotch系へと伝えるほど機能的には強くなかった所見からも伺えた.ヒト肝細胞癌組織におけるCLDN2の発現は,偽胆管様構造の部位に強く認められたが,通常の索状構造の部位では非癌部に比し増強は見られなかった.上記のシグナル系は胆管細胞癌において機能している可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Two-faced effects of Claudin-2 on Wnt signaling in liver cancer cells2019

    • 著者名/発表者名
      Hironori Koga, Hideki Iwamoto, Takahiko Sakaue, Takuji Torimura
    • 学会等名
      第78回 日本癌学会学術総会
  • [学会発表] Involvement of Wnt Signaling in Two-faced Actions of Claudin-2 in Liver Cancer Cells2019

    • 著者名/発表者名
      Hironori Koga, Yasuko Imamura, Toru Nakamura, Hideki Iwamoto, Takahiko Sakaue, Atsutaka Masuda, Toshimitsu Tanaka, Dan Nakano, Hiroyuki Suzuki, Hirohisa Yano, Takuji Torimura
    • 学会等名
      AASLD 2019 “The Liver Meeting”
  • [備考] 久留米大学先端癌治療研究センター

    • URL

      http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/sentanca/

  • [備考] 久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門

    • URL

      http://www.kurume-shoukaki.jp/

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公開日: 2021-01-27  

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