研究課題/領域番号 |
17K09449
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
相葉 佳洋 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 研究員 (70450955)
|
研究分担者 |
伊東 正博 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 機能形態研究部長 (30184691)
中村 稔 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 客員研究員 (40217906)
高槻 光寿 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80380939)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 原発性胆汁性胆管炎 / カテプシン |
研究実績の概要 |
前年度の研究において、健常人と比較して原発性胆汁性胆管炎を含む胆汁鬱滞性肝疾患では、カテプシンZ(CTSZ)に加えてカテプシンB(CTSB)が血中と肝組織において増加していることを報告した。今年度、症例数を増やして血中CTSBと生化学データ、治療反応性との関連を解析した。 CTSBは疎水性胆汁酸によって誘導される肝細胞死に関与することが報告されていることから、今回、CTSZが疎水性胆汁酸による肝細胞死に関与しているか否か検討した。胆汁酸取り込みを担うNTCPを発現する肝癌細胞株を用いて、疎水性胆汁酸(GCDCA)により細胞死(アポトーシス)が誘導される系を構築した。この系において、肝癌細胞株にCTSZを一過性に過剰発現させたが、胆汁酸誘導性細胞死に顕著な変化は認められなかったことから、CTSZはCTSBとは異なり疎水性胆汁酸による細胞死に関与しないことが明らかとなった。また、CTSZ増加による肝細胞への影響を検討するために、2つの肝癌細胞株(HepG2, HuH7)にCTSZを過剰発現させ網羅的に遺伝子発現を検討した。その結果、2つの異なる肝癌細胞株に共通して61個と34個の遺伝子が2倍以上増加・減少していることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
原発性胆汁性胆管炎患者の血中・肝組織におけるCTSZの解析結果を論文として報告できた。しかしながら、in vitroの解析が遅れている為に、予定していたin vivoの解析を進めることが出来なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の進捗状況を踏まえて、in vivoの解析を優先して実施する。また、これまでの研究から、原発性胆汁性胆管炎の進行にはCTSZに加えてCTSBを含めた他のカテプシンファミリーも関与している可能性が考えられることから、これらの分子に関しても解析を進めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅延が生じたために未使用額が生じた。次年度の研究費用として使用する。
|