研究課題/領域番号 |
17K09460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高石 繁生 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20596829)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 膵癌発症マウス / ヒト及びマウス膵癌培養細胞株 / ヒト膵癌オルガノイド / COX-1, -2遺伝子 / CAGE法 / 膵癌幹細胞 / 上皮間葉転換(EMT) / SNAIL2(別称SLUG) |
研究成果の概要 |
当初の研究テーマを下記に変更して研究を進めた:A) 2種類の膵癌マウスから樹立した2つの培養細胞株PanIN-PCとIPMN-PCに関してCAGE法による遺伝子発現解析により各細胞の特徴付けを行う。B) ヒト膵癌培養細胞株およびヒト膵癌オルガノイドを用いて上皮間葉転換(EMT)関連転写因子の発現を解析し、膵癌幹細胞の恒常性維持機構を探求する。 上記テーマに関して以下の結果を得た:A) PanIN由来細胞では幹細胞関連因子が、IPMN由来細胞では細胞増殖抑制因子が、各々高発現していた。B)EMT関連因子の中でSNAIL2が最も高発現しており、そのノックダウンにより抗癌剤への抵抗性が減少した。
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自由記述の分野 |
消化器癌幹細胞
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌の5年相対生存率は男女平均で約8.5%であり、全癌腫中で最低の数値である。従って、膵癌の発癌機構を解明し新たな治療戦略を見出すことは現在の癌診療政策における喫緊の課題であると言える。 今回の研究成果は、PanINとIPMNで異なる転写因子ネットワークが機能しており、前者で幹細胞関連因子が高発現し、後者ではPI3K/Aktシグナルが亢進していることを示した。加えて、ヒト膵癌においてEMT関連因子であるSNAIL2の発現を抑制することにより、癌幹細胞分画が縮小し抗癌剤への抵抗性が減弱すること、従ってSNAIL2およびその主たる下流遺伝子であるIGFBP2が新規の治療標的となることが期待される。
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