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2017 年度 実施状況報告書

胆膵癌発癌リスク因子としての腸内環境の解明と新たな予防的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09462
研究機関岡山大学

研究代表者

高木 章乃夫  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80359885)

研究分担者 森田 英利  岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70257294)
松本 和幸  岡山大学, 大学病院, 助教 (40795027)
高原 政宏  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80738427)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード細菌 / 膵癌
研究実績の概要

本研究では、胆膵癌患者とハイリスク患者、中リスク患者である糖尿病患者の唾液・便より抽出した細菌叢及び代謝産物(メタボローム)を網羅的に解析し、胆膵発癌に関係する腸管環境を明らかにし、疾患特徴的腸内細菌叢と代謝産物による生体への影響を無菌マウスへの菌叢移植実験により明らかにすることを目的としている。

今年度の目標は、膵癌患者と膵癌リスク患者であるIPMN患者での腸内細菌叢解析を行い、リスク細菌を同定することである。現在健常者5例・膵癌12例・IPMN6例での比較で、Preliminaryな検討を行い、腸内細菌「門」レベルで、Firmicutes門に疾患毎の割合の違いがあることを明らかにした。また、Unifrac distance解析で細菌叢バランスを検討するに、健常者-健常者は細菌叢が近接しており、続いてIPMN-IPMN、膵癌-膵癌の順番で近接、健常者-IPMN・健常者-膵癌・IPMN-膵癌は同程度に大きく離れて(異なって)いることが明らかになった。現在はさらに症例数を積み上げつつ、個々の細菌種と特に膵癌の臨床経過との関連につき検討を開始している。
また、リスク細菌種が膵癌切除組織に浸潤しているか、を検討するため、保存ホルマリン固定組織よりの細菌DNAの抽出を開始している。DNA量が非常に微量で、そのままの解析は困難であることが判明した為、抽出DNAをプラスミドに遺伝子導入し、クローニングしたDNAよりシークエンスを行い、存在診断を行う方法を現在、検討している。更に検討を進めて手技を確立し、便の解析で同定された菌種の膵癌組織よりの同定を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、膵癌のリスクになり得る腸内細菌バランスを便の検索により明らかにし、膵癌組織よりも同細菌の抽出・同定を試み、更に動物モデルへの移入により、その機能的な影響について検討することにある。平成29年度での検討で、ある程度の症例数を確保し、この検討により、腸内細菌叢バランスに膵癌の特徴、膵癌リスクであるIPMNの特徴があることを明らかにしており、おおむね順調だが、症例数の集積が予定よりやや少なく、やや遅れていると区分した。

今後の研究の推進方策

平成30年度には便の解析につき、さらに症例数を増やして、特徴的腸内細菌を同定する試みを継続する。また、手術検体よりのリスク細菌の同定も行っていく予定である。現段階で、膵癌5例、膵癌リスクであるIPMN9例の追加症例便検体を腸内細菌叢解析にまわしており、これらの検討により、リスクの予想がついた段階で、膵癌組織よりの同定すべき細菌の属・種が決定できる。動物実験による膵癌リスク細菌の機能的評価も同様に臨床データを基にしての検討であり、臨床データのとりあえずの確定を待って解析を開始する予定としている。

次年度使用額が生じた理由

症例数の集積が、計画より少なめに推移しているため、支出額が少なくなった。しかし、症例数は継続して積み上げており、また平成30年度よりは組織検体でのDNA解析などの実験及び進行具合によってはノトバイオートマウスを使用した実験を追加していく為、予定金額を使用していく事になると考えている。

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公開日: 2018-12-17  

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