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2019 年度 実績報告書

胆膵癌発癌リスク因子としての腸内環境の解明と新たな予防的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09462
研究機関岡山大学

研究代表者

高木 章乃夫  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80359885)

研究分担者 森田 英利  岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70257294)
松本 和幸  岡山大学, 大学病院, 助教 (40795027)
高原 政宏  岡山大学, 大学病院, 医員 (80738427)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード膵癌 / 腸内細菌叢解析
研究実績の概要

本研究では、胆膵癌患者と膵癌リスク患者の唾液・便より抽出した細菌叢及び代謝産物等を網羅的に解析し、胆膵発癌に関係する腸管環境を明らかにし、疾患特徴的腸内細菌叢と代謝産物による生体への影響を無菌マウスへの菌叢移植実験により明らかにすることを目的としていた。膵癌患者と膵癌リスク患者であるIPMN患者での腸内細菌叢解析を行い、リスク細菌の同定を行った。唾液と便での検討を行い、それぞれで特徴を明らかにした。唾液は健常者(HC)5例・膵癌(PK)24例・IPMN(IPMN)16例での比較で、便はHC10例・PK24例・IPMN16例での比較となった。生命予後検討についてはPK104症例での検討を行い、データのある症例のみで腸内細菌叢データを予後検討因子に組み込んだ。腸内細菌叢解析では、便の解析で、膵癌では細菌叢の多様性が低下しており、抗がん剤治療の副作用を生じにくい可能性がある菌(Lachnospira属)の減少があり、この菌は食事中の繊維摂取により増加する可能性がある事から、膵癌発症後でも繊維成分の摂食を増やすことで、治療経過を改善できる可能性があると考えられた。また大腸癌などでもリスク菌である可能性が報告されている菌(Mogibacterium属)が増加していることから、予防的治療ターゲットになる可能性が示された。また口腔内の細菌叢解析よりは、膵癌症例で歯周病菌の中でも口腔癌のリスクである可能性を報告されている菌(Atopobium属)が増加しており、予防歯科系診療科との今後の共同作業による検討が必要と考えられた。
予後との関連については症例数が少なかったことが大きいと思われるが、細菌叢解析では十分なデータを得ることが出来なかった。酸化ストレスバランスが酸化ストレス傾向になっている場合が予後不良であり、腸内環境も含めた生体環境改善が予後に影響しうることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] The relationship between the PD-L1 expression of surgically resected and fine-needle aspiration specimens for patients with pancreatic cancer.2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Matsumoto
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 54 ページ: 1019-1028

    • DOI

      10.1007/s00535-019-01586-6.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The relationship between the PD-L1 expression of surgical resected and fine-needle aspiration specimens for patients with pancreatic cancer2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Matsumoto
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2019
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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