研究課題
【A. オートタキシン阻害剤による膵発癌抑制効果 膵発癌物質である N-Nitrosobis (2-oxopropyl) amine (BOP)を投与したハムスターを用いた研究】以前からの共同研究をおこなってきた研究室でBOPを用いたハムスターへの膵癌発癌実験中、これまで行ってきた発癌率と比較し、膵の発癌発生が極めて少ない結果が報告された。発癌率が悪い原因を検証できるまで本科研費研究では、ハムスター研究を一時中断する事とした。【B. オートタキシン阻害剤による膵癌細胞増殖抑制効果 ①膵癌増殖抑制効果の検証 (in vitro研究) ②膵癌細胞増殖抑制効果の検証 (in vivo研究):①で用いた膵癌細胞をヌードマウスに皮下移植し、PF-8380(10 mg/kg/day)を腹腔内に投与し、腫瘍の増大について経時変化を追う。】①:膵癌細胞株のオートタキシンの発現レベルを確認したうえで、発現レベルの高い細胞株を2種類選択して、オートタキシン阻害剤を投与した細胞増殖の変化を確認した。②:皮下移植モデルで腫瘍をヌードマウスに植えつけ、自然増殖能の確認を行った。オートタキシン発現の高い細胞をヌードマウスに植えつけたが、生着が安定せず、腫瘍移植に時間を要した。上記のように一部の実験が進まなかったため、かわりに以下の平成30年度分の実験を一部開始した。【B.オートタキシンの膵癌抗癌剤耐性獲得に関わる評価 複数の膵癌細胞株を用い、PF-8380 投与・非投与それぞれの環境下で、膵癌の代表的抗癌剤であるジェムザールを用いてWST-8アッセイで解析、細胞生存率の変化・50%阻害濃度(IC50)を比較する。】実験にあたり、各膵癌細胞株を用いて、ジェムザール投与によるIC50を算出した。ベースとなるデータをそろえ、次年度のPF-8380投与の準備をした。
3: やや遅れている
①膵癌細胞のなかでオートタキシン発現の高い株がヌードマウスに生着しづらく、細胞数の調整やMatrigelの併用などを行いながら効率を上げるべく調整中で、マウスへの安定した移植に時間を要しているため。②以前からの共同研究をおこなってきた研究室で、BOPを用いたハムスターへの膵癌発癌実験中、膵の発癌発生が極めて少ない結果が報告された。以前樹立したプロトコールの見直しやハムスターの系列の確認・見直しなど、発癌率が悪い原因を検証できるまで本科研費研究では、ハムスター研究を一時中断する事としたため。
BOPを用いたハムスターへの膵癌発癌実験は、プロトコールの確認・見直しなど、他の研究室とも情報交換しながら、発癌率が悪い原因を検証する。細胞のマウスへの移植はプロトコールを調整中で、今後自然増殖曲線を確認のうえ、予定通り29年度のin vivo実験を遂行する。以下の平成30年度の計画実験を遂行する。A. オートタキシン阻害剤による膵癌細胞浸潤・転移抑制効果 ① 膵癌細胞浸潤抑制効果の検証 ② 膵癌細胞転移抑制効果の検証。B.オートタキシンの膵癌抗癌剤耐性獲得に関わる評価
実験の進行状況が遅れ、動物の購入や細胞実験物品の購入予定も遅れているため。次年度には遅れた動物実験を中心に繰り越し分を使用する計画である。
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