研究実績の概要 |
最終研究目標;LED 光線の胃内照射によるピロリ菌感染症に対する新規治療法を開発すること 【平成29年度の研究テーマ】;in vitroにて抗菌薬耐性ピロリ菌株に対する光線照射の増殖抑制効果を明らかにする。 研究の成果;1. 方法; Amoxicillin, Clarithromycin, Levofloxacin, Metronidazoleに対する耐性特性の調査がなされた10種の抗生物質耐性株および1種の感受性Helicobacter pylori (H. pylori) 株を使用し、300, 500, 600μWの青色LED照射後、経時的なコロニー形成単位数のカウントにてH.pyloriの生存率を評価した。2. 結果; 青色LEDによる照射後、全菌株のH.pyloriコロニーは対照群と比較して時間依存性に有意に減少した(p<0.05)。照度依存性のH.pylori死滅効果増強をLevofloxacin耐性株にて認めた。3. 意義・重要性;Amoxicillin, Clarithromycin, Levofloxacin, Metronidazoleに対する耐性を有するピロリ菌に対し青色LEDは死滅効果を示した。抗菌薬耐性ピロリ菌株が世界中で増加している現在、青色LEDを用いた除菌治療が臨床でも有用となれば耐性菌増加抑制、抗菌薬使用率減少に極めて有用な画期的治療法となりうる。
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