研究課題/領域番号 |
17K09480
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
永見 康明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70464633)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | Pirfenidone |
研究実績の概要 |
SPFの家畜ブタ(LWD種)、雌性、35-40 kg(3-4か月齢)を使用。第1日目に胸部食道に内視鏡的に5 cm長、全周性の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した。麻酔導入にはミダゾラム0.8 mg/kg、メデトミジンの混合液を筋肉注射し、気管挿管を行った後、イソフルラン3%で維持麻酔を行った。Pirfenidoneは非常に刺激が強く、苦みの強い薬であり、甘味の強いゼリー内にPirfenidoneを粉砕し混ぜ、摂取することで内服が可能となった。 予備実験として2頭にPirfenidone800㎎/日を朝夕2回に分け内服させた。全周性のESDを施行し、第8、15日目に、ESD創部の口側から4検体の組織を採取した。第15日目に、安楽死させ、食道を採取し実測により狭窄率を算出した。組織学的評価のため4 %ホルマリンに48時間浸漬しパラフィン包埋を行った後にHE染色とMasson trichrome染色を施行した。半分は分子生物学的評価のため細片化し-80 ℃で冷凍保存した。既報とのマクロ所見の比較で効果が不十分と考え、本実験をPirfenidone1200㎎/日を朝夕2回で投与する方針とした。 続いて、本実験を開始した。4頭にPirfenidone1200 mg/日を内服させ、コントロール群とした2頭にPirfenidoneを含まないゼリーのみを同量摂取させ、上記予備実験と同様の手順で施行した。 分子生物学的な評価を行うため、RT-PCR法によりTGFβ1、TNFα、IL1β、IL6、IL13、CTGF、EGF、VEGF、Fibronectin1、αSMA、Collagen1のmRNA定量を行った。コントロール群ではTGF-βは8日目に上昇、15日目には低下したが、Pirfenidone群ではTGF-β1を含む上記遺伝子のmRNAは段階的にすべて上昇した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
豚コレラの流行拡大に伴い、当大学への家畜ブタの搬入が一切禁止となって以降、家畜ブタを使用する実験を中止しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
分子生物学的な評価を行い、これをラットを用いて検証しようと考えており、実施している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験が遅延しているため。ラットモデルを使用した分子生理学的検討を行っていく予定としている。
|