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2021 年度 実施状況報告書

小児隠れ肥満による心血管系及び代謝系への影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K09483
研究機関秋田大学

研究代表者

豊野 学朋  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30297486)

研究分担者 岡崎 三枝子  秋田大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80422161)
山田 俊介  秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (60749844)
高橋 勉  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20270845)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード隠れ肥満 / メタボリック症候群 / 心血管障害 / 代謝系障害
研究実績の概要

ボディマス指数で判定される肥満は小児においても心血管系及び代謝系障害の危険因子とされている. 一方, ボディマス指数が正常であるが体脂肪率が高い状態を「隠れ肥満」といい, 成人では肥満と同様, メタボリック症候群に関連するとされるが, 小児における知見は少ない. 本研究では, 1) 体脂肪率が高いほど小児におけるメタボリック症候群の頻度が増加する, 2) 小児「隠れ肥満」例は正常体格例と比較して心血管系及び代謝系障害の指標に異常を認める, という2つの仮説を検証することを目的としている. 本研究により「隠れ肥満」が心血管系及び代謝系障害に関連することが判明すれば, 検診体制の変更, 「隠れ肥満」例の健康に関する認識変更の啓発, 更には食事・運動・薬物療法の発展が期待される.
研究活動は, 研究代表者の所属施設を外来受診, あるいは検査目的で入院した症例を対象とし, 総合的身体測定 (ボディマス指数, 腹囲, 臀囲, 除脂肪体重, 体脂肪率)・生理学的検査・血液性化学検査 (尿酸, 中性脂肪, 高密度リポ蛋白コレステロール, 非高密度リポ蛋白コレステロール, インスリン抵抗性, 高感度C反応性蛋白)・断層超音波検査 (左心室拡張末期容積係数, 左心室心筋重量係数, 動脈コンプライアンス, Tei index, 頸動脈内膜中膜複合体厚) を施行している.
5年間に対象となった例は682例 (男345例) であった. 年齢は5-15歳 (中央値11.2歳) であった. 総合的身体測定結果より, 正常, 肥満, 隠れ肥満はそれぞれ580例 (男311例), 72例 (同23例), 30例 (同5例) であった. 隠れ肥満は全体の4.4%を占めた. 尿酸, 中性脂肪, 高密度リポ蛋白コレステロール, 非高密度リポ蛋白コレステロール, インスリン抵抗性, 高感度C反応蛋白, 左心室心筋重量係数, 頸動脈内膜中膜複合体厚は3群間で有意差 (危険率 <0.05) を示し, 尿酸と左室心筋重量係数は隠れ肥満例が正常例及び肥満例よりも高値を示した (危険率 >0.05).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

所属施設附属病院が多数の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていることから, 予定入院, 予定検査を減少しなければならない状況となっている. 特に第5波, そして更に増強した第6波の感染蔓延期には, この様な外的, 物理的な要因によって, 予定診療の遅れが入院に加え, 外来でも広く発生している. この様な状況のもと, 対象被験者数の増加が大きく伸び悩んだ.

今後の研究の推進方策

小児隠れ肥満例で認められた代謝系障害及び心障害が, 以後の青年期にどの様な変化を示すかを検討する.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大のため, 研究成果を発表予定であったアメリカ心臓協会年次学術集会への応募を延期したため

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 6件)

  • [雑誌論文] Transcatheter occlusion of a giant coronary artery fistula in a neonate2021

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Yamada, Mieko Aoki-Okazaki, Manatomo Toyono
    • 雑誌名

      American Journal of Case Reports

      巻: 22 ページ: e933079

    • DOI

      10.12659/AJCR.933079

    • 査読あり
  • [学会発表] 市民救助者による一次救命により後遺症なく回復した院外心肺停止を契機に新規診断された心疾患の2学童例2021

    • 著者名/発表者名
      佐々木 美穂, 仲本 雄一, 山田 俊介, 岡崎 三枝子, 豊野 学朋, 高橋 勉
    • 学会等名
      第124回日本小児科学会学術集会
  • [学会発表] 開心術後数日で発症したpostoperative encephalopathy with choreoathetosisの2例2021

    • 著者名/発表者名
      仲本 雄一, 山田 俊介, 岡崎 三枝子, 豊野 学朋
    • 学会等名
      第57回日本小児循環器学会学術集会
  • [学会発表] 地方における学校教員指導: 複雑心奇形術後児童に対する「怖さ」を乗り越えるために2021

    • 著者名/発表者名
      岡崎 三枝子, 仲本 雄一, 山田 俊介, 豊野 学朋
    • 学会等名
      第57回日本小児循環器学会学術集会
  • [学会発表] 乳児期早期に発作性上室頻拍による頻拍誘発性心筋症を発症した1例2021

    • 著者名/発表者名
      神馬 夏紀, 小原 祥平, 佐々木 美穂, 仲本 雄一, 井上 雅貴, 山田 俊介, 岡崎 三枝子, 豊野 学朋, 高橋 勉
    • 学会等名
      第72回北日本小児科学会
  • [学会発表] PARS2遺伝子異常によるミトコンドリア病の1例2021

    • 著者名/発表者名
      菊地 和歌子, 佐藤 陽子, 野口 篤子, 豊野 学朋, 澤石 由紀夫, 高橋 勉
    • 学会等名
      日本小児科学会第117回秋田地方会
  • [学会発表] 冠血行再建術を施行され心機能の改善が得られた左冠動脈肺動脈起始症の 1 幼児例2021

    • 著者名/発表者名
      仲本 雄一, 山田 俊介, 岡崎 三枝子, 豊野 学朋, 高橋 勉
    • 学会等名
      第56回東北発達心臓病研究会
  • [学会発表] 川崎病2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      第23回エコーウィンターセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] ACHDゼミナール: 心エコー2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      第16回ACHD NIGHT
    • 招待講演
  • [学会発表] 循環器内科医によるACHD心エコー: 小児循環器医の立場から2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      第17回ACHD NIGHT
    • 招待講演
  • [学会発表] 先天性心疾患領域における心エコー評価を発展させる -心機能やvolumeの経時的評価を通じた予後予測, 治療介入時期決定, 治療効果評価のために「海外の大規模心エコー研究解説」2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      日本心エコー図学会第32回学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 学校検診で見つかる小児心疾患-心エコーの役割ー 冠状動脈異常・不整脈疾患・その他」2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      日本超音波医学会第94回学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] COVID-19「みんなで考えよう! 心臓病のある人の”with コロナ時代”の生き方」2021

    • 著者名/発表者名
      豊野 学朋
    • 学会等名
      第57回日本小児循環器学会総会・学術集会市民公開講座
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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