研究課題
今回の検討の目的は重症心不全、補助人工心臓下及び心臓移植後における血管内皮障害・活性酸素に焦点を当て、心筋以外の心不全と血管内皮機能の関わりについて検討し、心不全増悪における血管機能、活性酸素の寄与度について評価し、血管内皮機能改善の側面からみた心不全の新たな介入について検索するものである。少しずつ普及しつつある補助人工心臓によって予後改善は見込めるものの、中にはリスクが高いケースもあり、補助人工心臓を挿入することそのもののリスク、または入れた後の血行動態、末梢血流の状態についての詳細な評価は行われていない。血管内皮機能の最も有用な方法としてFlow-mediated dilation法があるが(FMD)、まずは補助人工心臓下においてFMDは何によって規定されるかについて検討を行った。この検討により、補助人工心臓下のリスク評価について、より詳細に行われ、また補助人工心臓下の血流状態がより精確に把握できることが期待される。また血管機能と密接な関連のある一酸化窒素(NO)についても、体内のNOの動態と心不全の病態との関連について検討を行った。中でも今回は呼気中のNOを測定することで、肺血管由来のNOを予測し、病態との関連について検討を行った。実際にNOは生体内では極めて不安定で、なかなか測定が困難とされているが、今回の検討では比較的安定して呼気NOを評価することができ、今までにはない循環マーカーとして役割をはたすことが期待された。
2: おおむね順調に進展している
詳細な解析までは十分に行えていないが、検討すべき症例については少しずつ数を増やすことができている。
研究対象の症例数を少しずつ増やすことにより、より信頼度の高い解析結果を導出できると考えられる。
本研究では検査などの整備がまだ進んでおらず、臨床検討も患者のリクルートにとどまっており、経費としてはより次年度に使用機会が偏ってしまったため。
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