研究課題/領域番号 |
17K09492
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小山 潤 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (10303463)
|
研究分担者 |
桑原 宏一郎 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30402887)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | アミロイドーシス / トランスサイレチン / 心病変 |
研究実績の概要 |
変異トランスサイレチン関連のアミロイドーシス(ATTRV)の心エコーによる経年変化に関する解析を行った。ATTRvに対する治療は、肝移植及びtafamidis投与がある。追跡可能な患者96名を平均追跡期間4.6年で心病変の変化を検討した。平均壁厚>12mmを心病変ありと定義し、平均壁厚>1mm以上の肥厚を心病変の進行あり、平均壁厚-1mm以下の壁厚減少を退縮と定義。それ以外の変化を不変と定義した。10%の患者で心病変の退縮を認め、49%の患者は不変、41%の患者で心病変の進行を認めた。これらの結果から、治療後も41%の症例で心病変の進行が認められることが明らかとなった。 これらの成果は、American Heart Association 2018 Scientific Sessionで発表を行った。 Long-term Serial Echocardiographic Observation in Patients with Familial Amyloid Polyneuropathy after Optimal Therapy Jun Koyama et al. AHA2018 Scientific Session in Chicago
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異トランスサイレチン関連アミロイドーシスに関する経時的変化を明らかとした。肝移植症例とtafamidis単独投与群との経時変化の比較に関する研究成果を2019年AHA Scientific Sessionに投稿予定である。また、原発性アミロイドーシスの治療後の予後、ストレインイメージによる心アミロイドーシスの心機能障害機序に関する考察を上記学会へ投稿予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
変異トランスサイレチン関連アミロイドーシスに関する経時的変化を肝移植症例とtafamidis単独投与群とで比較し、研究成果を2019年AHA Scientific Sessionに投稿予定である。また、原発性アミロイドーシスの治療後の予後に関しては、心病変の進行が停止ないしは退縮する症例で良好な予後を示すことが示唆され、これらを統計学的に正しいかを検証し成果を公表予定である。また、ストレインイメージによる心筋の変形パターンを解析し、心アミロイドーシスの心機能障害機序に関する考察を上記学会へ投稿予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会への出席がキャンセルとなったため、次年度使用額を生じた。 次年度使用額は、平成31年度請求額と合わせて学会出席旅費、画像記録媒体の購入、統計計算ソフト購入などに充てる予定である。
|