研究実績の概要 |
後天性QT延長症候群の約3割に既知の遺伝子に変異を認めるが(Itoh H, et al. Eur Heart J 2016)、本研究ではそれらの遺伝子に変異を認めなかった46例の原因遺伝子の探索を実施した。先天性QT延長症候群の原因遺伝子として報告されている16の遺伝子とその他のイオンチャネル関与遺伝子、薬剤代謝に関与するCYP関連遺伝子を含めた計34の遺伝子(ACN9, AKAP9, ANK2, CACNA1C, CACNA2D1, CACNA2D1, CACNB2, CALM1, CALM2, CALM3, CAV3, CYP1A2, CYP2B6, CYP2C19, CYP2C8, CYP2C9, CYP2D6, CYP3A4, KCNE1, KCNE2, KCNE3, KCNE4, KCNE5, KCNH2, KCNJ2, KCNJ5, KCNQ1, RYR2, SCN1B, SCN2B, SCN3B, SCN4B, SCN5A, SNTA1)の全エクソン解析を実施した。研究のアウトプットとして、薬剤性QT延長症候群、薬剤性ブルガダ症候群に関する総説をPharmacology&Therapeuticsに寄稿した(Pharmacol Ther 176:48-59,2017)。またKCNH2遺伝子変異であるH492Y変異に注目し、先天性あるいは後天性といった表現型に影響を及ぼす遺伝的特徴に関する論文を寄稿した(J Cardiol 70: 74-79, 2017)。精神疾患症例における突然死と薬剤性心電図変化に関するeditorial commentを日本内科学会誌に寄稿した。
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