研究課題
薬剤性QT延長症候群は心筋カリウム電流抑制作用を有する薬剤を服用後にQT延長、多形性心室不整脈が顕性化する病態である。我々は薬剤性QT延長症候群の発症起点として、先天性QT延長症候群のサブタイプ1,2,3,5,6の責任遺伝子が潜在していることを明らかにしてきたが、本研究は遺伝的背景が同定されていない薬剤性QT延長症候群症例において、前述のサブタイプ以外の遺伝子変異あるいは多型を明らかにすることである。薬剤後天性QT延長症候群患者に対して全エクソン解析を実施した。対象遺伝子は、先天性QT延長症候群の原因遺伝子として報告されている16の遺伝子とその他のイオンチャネル関与遺伝子、薬剤代謝に関与するCYP関連遺伝子を含めた計34の遺伝子である(ACN9、AKAP9、ANK2、CACNA1C、CACNA2D1、CACNA2D1、CACNB2、CALM1、CALM2、CALM3、CAV3、CYP1A2, CYP2B6、CYP2C19、CYP2C8、CYP2C9、CYP2D6、CYP3A4、KCNE1、KCNE2、KCNE3、KCNE4、KCNE5、KCNH2、KCNJ2、KCNJ5、KCNQ1、RYR2、SCN1B、SCN2B、SCN3B、SCN4B、SCN5A、SNTA1)。見いだされた変異あるいは多型を、まずは3つの正常コントロール(Japanese Human Genetic Variation Database、ExAC Database、1000 Genomes Project)と比較検討し、変異あるいは頻度の高い多型の有無を明らかにする。次に、米国FDAから報告された薬剤性QT延長症候群に関連する多型(Circulation. 2017;135(14):1300-1310)と比較し我々のコホートで見出された多型との相違を明らかにする。
3: やや遅れている
患者コホートの遺伝子検索は終了している。正常コントロールあるいは海外から報告された既報の論文との比較検討が遅れている。
倫理的観点から、正常コントロールの検体を新たに採取するのでなく、公表されている正常コホートのデータベースあるいは既報の報告結果と比較し、患者コホートに頻度の高い多型等を同定する。
2019年のにおける人件費および消費税増税などの調整を要したため
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