研究課題
本研究の目的は、岡山大学循環器内科における成人先天性心疾患(Adult Congenital Heart Disease:ACHD)症例の心臓突然死や心不全発症などの重篤な心血管イベント(Major adverse cardiac event : MACE)の予測を心電図指標等でスコアリング化し、予測することであった。そのため、まずは疾患多様性の少ない心筋症やブルガダ症候群症例においてのスコアリング化や予測因子の検討を行った。肥大型心筋症においてfragment QRSが重篤な不整脈イベントの予測因子になることや、ブルガダ症候群においては心外膜の異常電位の性状の差が、心臓突然死の予測になり得ることを報告した。その上で、ブルガダ症候群におけるshanghai scoreの臨床的有用性の検討も行い論文化した。その上で、本研究の目的であるACHD症例におけるMACE予測スコアリング化に着手した。しかし、他の疾患と異なり、ACHDは共通した疾患概念でなく、基礎心疾患も様々であり、治療法も薬物治療のみや、手術症例においても手術時期や手術方法にも大きな違いがあり、共通した非侵襲的検査結果のみでのMACE予測は困難であった。そこで、ACHD症例の中でも薬物抵抗性、もしくは術前に頻発する不整脈を有するため術前に経皮的カテーテル心筋焼灼術を施行する症例の心内膜の電気的障害を3Dマッピングシステムを用いて評価した。心内膜の障害は、基礎心疾患の違いに関わらず定量的な評価が可能なため、他の非侵襲的検査所見と組み合わせることでMACE予測スコアリング化の可能性が示唆された。
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