研究実績の概要 |
全国のブルガダ症候群患者のデータを収集し、心臓突然死データベース作成を開始した。 広島大学 100名:既往24名、発症7名、既往+発症 31名(31%)、国立循環器病センター100名:既往8名、発症4名、既往+発症10名(10%)、滋賀医科大学61名:既往18名、発症7名、既往+発症19名(31%)、関西医科大学119名:既往15名、発症15名、既往+発症20名(16.8%)、岡山大学100名:既往7名、発症10名、既往+発症12名(12%)、日本医科大学20名:既往3名、発症2名、既往+発症4名(20%)の心電図データを収集することが出来た。心電図についてはRR, P, PQ, QRS, QTc, rJ時間, Tp-Te時間, Tp-Te dispersion, J 波の有無, fragnmentated QRSの有無について測定を行っており、現在異なる検者でも測定中である。 今後は心電図解析結果と臨床データを合わせて統計解析を行い、突然死予測モデルと構築する予定である。心電図データは電子媒体に落とし自動解析と実測データとの比較も行い、予測モデル構築後の項目を自動計算しリスクレベルを算出する自動解析ソフトの準備をする予定である。 我々は、以前から報告されているSCN5A遺伝子異常が、独立して心室細動発生に関わる因子であることを世界で初めて報告し(Circulation. 2017)、無症候例に対する治療方針決定に対して遺伝子検査の必要性が示唆される重要な報告を行った。一部の症例については、SCN5A遺伝子のエクソン部分の全シークエンスとGWASで報告されたSNPsのタイピングを行い、SCN5A遺伝子変異を発見した。今後臨床データで統計解析を行いリスクモデルを作成した後の遺伝子要因との関連も検討する予定にしている。その他、日本循環器学会の遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)での班員および協力員として分担執筆を行った。
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