研究実績の概要 |
内容:膠原病(全身性強皮症,混合性結合組織病,全身性エリテマトーデス,皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む肺高血圧症発症の高リスク群)における,6分間歩行負荷心エコー図検査により評価された運動誘発性肺高血圧症の頻度および臨床的背景を収集した. 目標症例すべてのデータの収集,治療介入群のフォロー,より正確な運動負荷心エコー図検査を実施するために,運動負荷エコーエルゴメーター心エコー図検査を,同意が得られた症例に対して実施したが,そのすべてのデータの収集を完了した. 意義:膠原病患者における潜在性肺高血圧症検出に,6分間歩行負荷を用いた報告は我々の施設が2015年に世界初で行った.6分間歩行負荷心エコー図検査により平均肺動脈圧と心拍出量の変化の比が算出可能であるが,これを指標にした治療介入の臨症上の効果が証明されれば,心エコー図指標によるリスク層別化が治療介入に役立つことが証明できる. 重要性:臨床的な重要性として,患者の治療戦略の決定に重要な情報を提供するだけでなく,治療効果の判定,患者予後の改善にもつながることが予想される.また,運動負荷エコーエルゴメーターのデータと,6分間歩行負荷のデータを比較することで,実臨床におけるエコーを行い早期の肺高血圧症を検出するための負荷方法の選択について,情報を提供できると考える. 結果:治療介入により予後の改善が示された.本研究の結果は学術誌に発表済である. Pulmonary Artery Hypertension-Specific Therapy Improves Exercise Tolerance and Outcomes in Exercise-Induced Pulmonary Hypertension. Kusunose K, Yamada H, Nishio S, Hirata Y, Saijo Y, Torii Y, Yamada N, Ise T, Yamaguchi K, Fukuda D, Yagi S, Soeki T, Wakatsuki T, Sata M. JACC Cardiovasc Imaging. 2019 Dec;12(12):2576-2579. doi: 10.1016/j.jcmg.2019.07.002.
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