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2017 年度 実施状況報告書

重症大動脈弁狭窄症に合併する消化管出血のフォンビレブランド因子による病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K09518
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

早川 正樹  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30516729)

研究分担者 松本 雅則  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60316081)
酒井 和哉  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60790384)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード後天性フォンビレブランド症候群 / aVWS / Heyde症候群 / 大動脈弁狭窄症 / フォンビレブランド因子 / ADAMTS13
研究実績の概要

後天性フォンビレブランド症候群(aVWS)とは、止血因子であるVWF が続発性に部分欠損して出血傾向を来す症候群である。大動脈弁狭窄症(AS)に消化管出血を合併するHeyde 症候群がその代表である。そのため平成28年度 難治性疾患政策研究事業として東北大学加齢医学研究所と奈良県立医科大学輸血部にて協力して「循環器難病に随伴する後天性フォンビレブランド症候群の診断基準・重症度分類の確立」のために多施設共同で大動脈弁狭窄症症例を集めその重症度とフォンビレブランド因子の高分子欠損の関連性について解析を行った。
1)フォンビレブランド因子高分子欠損のマルチマー解析 平成30年3月までに登録患者のうち135症例ののフォンビレブランド因子のマルチマー解析を行った。その重症度とフォンビレブランド因子の高分子欠損の関連性に解析を終了した。
2)フォンビレブランド因子高分子欠損のELISAによる解析 ADAMTS13活性測定ELISA において、VWF 切断部のN 末端側の断端を認識する抗体N10を利用して切断されたN 末側断端をサンドイッチELISA 法で定量化する方法の開発を行っている。現在健常人295名をこのELISAにて解析した結果、血液型別でVWFの切断に差があることが明らかとなってきている。このことからaVWSにおける血液型の差と重症度が関連するかを解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)フォンビレブランド因子高分子欠損のマルチマー解析
平成30年3月までに登録患者のすでに135症例の解析が終了している。予定では平成30年度から行う予定であったが、検体が順調に集積しているため前倒しで解析を開始した。既に検体は500検体を超えておりこのまま解析を続行する。
2)フォンビレブランド因子高分子欠損のELISAによる解析
これが平成29年度の予定であるが、健常人295名をこのELISAにて解析した結果、血液型別でVWFの切断に差があることが明らかとなってきている。このことからaVWSにおける血液型の差が示唆されている。しかし、この原因が血液型の糖鎖抗原の差であることを証明することに難渋している。今後糖鎖抗原、もしくはその類似物質を使って、ADAMTS13がVWF切断する際にこれらの物質が阻害するかを明らかにする必要がある。

今後の研究の推進方策

1)フォンビレブランド因子高分子欠損のマルチマー解析
このまま検体のマルチマー解析を継続する
2)フォンビレブランド因子高分子欠損のELISAによる解析
今後糖鎖抗原、もしくはその類似物質を使って、ADAMTS13がVWF切断する際にこれらの物質が阻害するかを明らかにする必要がある。そのためこれらの物質を添加して解析を行う。
3)ずり応力を抑制する研究
平成31年度の研究実施計画でも挙げられているが、生体内ではずり応力が働くことによって、ADAMTS13が過剰にフォンビレブランド因子を切断することでaVWSを発症する。そのずり応力を自由に変えて生体内と同じ環境で実験するための実験設備の開発があったがそれは既に東北大学電子心臓病医学教室と共同研究で細管内を高スピードで血漿を流してずり応力を発生させるデバイスの共同開発を平成30年度より前倒しして開始している。このデバイスが完成次第、ずり応力を変化させてaVWSを抑制する治療法の開発を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ABO血液型A型抗原を持つvon Willebrand因子はADAMTS13による切断を受けにく2018

    • 著者名/発表者名
      早川正樹
    • 学会等名
      第66回日本輸血・細胞治療学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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