研究課題
右室機能は、様々な肺高血圧症において独立した予後規定因子であることが報告され注目されてる。しかし、薬物治療や非薬物治療により右室機能がどのように改善するか、また肺高血圧症のetiologyが右室機能に及ぼす影響は不明である。Bone morphogenetic protein (BMP) type II receptor (BMPR-II)遺伝子異常のcarrierは、非carrierより予後不良として知られているが、我々はcarrierの方が薬物投与後の予後が良好であることを報告した。従来、carrierの方がnoncarrierより予後不良であることが知られており、薬物療法投与後の予後改善効果の要因としてBMPR-II遺伝子の有無による右室機能に差がある可能性を考えた。我々は特発性肺高血圧症(IPAH)患者26症例のBMPR2遺伝子異常の有無をRT-PCR法で確認し、陽性7症例、陰性19症例であった。右室ストレインによる右室機能評価では、baselineの右室機能はBMPR-II carrierの方が、noncarrierより良好である傾向であったが、combination therapy後の右室機能はBMPR-II carrierの方が、noncarrierと比較し有意に良好であった。以上より、BMPR-II遺伝子異常は薬剤による右室機能改善に影響がある可能性が示唆された。今後のさらなる検討が必要である。
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