研究実績の概要 |
当該研究期間である2010年から2017年において大動脈弁狭窄に対し大動脈弁置換術を受けた成人症例493例のうち大動脈弁置換のみ(AVR群)が438例、中隔切除を併施された(SEP群)は45例であった。平均年齢はAVR=72.7, SEP=76.1, p<0.01、女性 AVR=244 (49.5%), SEP=15 (33.3%), p<0.05とSEP群が高齢で男性が多かった。平均BMI: AVR=23.0, SEP=23.5, p=0.335、術前高血圧:AVR=349 (70.8%), SEP=36 (80.0%), p=0.184、糖尿病:AVR=89 (18.1%), SEP=10 (22.2%), p=0.485、脂質異常症AVR=221 (44.8%), SEP=29 (64.4%), p<0.05。術前透析AVR=63 (12.8%), SEP=2 (4.4%), p=0.101、Cre:AVR=23.0, SEP=23.5, p=0.335、eGFR:AVR=60.4, SEP=63.3, p=0.522であった。 術前心エコーでは左房径AVR=41.3, SEP=40.7, p=0.580、LVDd/Ds: AVR=47.5/30.7, SEP=43.9/26.4, p=0.003/0.61)。IVST/PWT:AVR=11.4/11.3, SEP=12.7/12.1, p<0.01、LVEF:AVR=64.7, SEP=69.2, p<0.05、FS:AVR=37.5, SEP=40.6, p<0.05であった。平成30年度は各群のストレインエコー解析およびSEP群の組織染色を進めた。ストレインはそれぞれ前壁(A)、下壁(I)、側壁(L)、後壁(P)および中隔(S)のそれぞれの領域を3部位(基部、心尖部、および中間部)に分けて計測し、手術前後で比較した。基部における各領域のストレインの差は前壁=2.61 vs 2.74、下壁=2.41 vs 3.52, 側壁=0.60 vs -0.40、後壁=-1.26 vs 3.27、中隔=-0.55 vs -5.45と中隔基部でAVR群とSEP群で大きな差が認められた。現在Masson染色を施行した組織の線維化領域の割合を解析中である。
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