研究実績の概要 |
課題である心臓脂肪組織内における結節組織の分布に関する検討であるが、今回購入した顕微鏡によりヒト剖検20例の心房室接合部の脂肪組織内の結節組織の分布を検討することにより、房室結節compact nodeからは左右の下方伸展(inferior extension)のみでなく、左右の上方伸展(superior extension)が存在することが明らかになった。その結果を第65回日本心電不整脈学会(JHRS2018)シンポジウム「上室性頻拍アブレーションに関する新知見」、欧州心臓病会議(ESC Congress 2018)にて発表した。成書ではHirao K, ed. Catheter Ablation. A current approach on cardiac arrhythmia. Singapore. Springer pp3~10, 2018にてChapter: Atrial and Atrioventricular Anatomy. Myocardial Orientation and Its Heterogeneityとして公表した。さらに、第41回心筋生検研究会シンポジウム「刺激伝導系の組織機能病理学」にて心房筋および房室結節の組織多様性について―心房内・心房間・房室伝導に関する考察―として2019年12月に発表。また2020年3月の第84回日本循環器学会総会にてTP77:Understanding Clinical Arrhythmias from Basic Cardiac Electrophysiologyで発表予定であったがコロナウイルス蔓延の影響で次年度に延期となった。発表内容については房室結節組織に対する自律神経支配の関与を加え昭和学士会雑誌81巻2号2021にて房室結節の構造と機能―臨床的意義と40年間の研究の歩み―として掲載予定である。
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