研究分担者 |
荻ノ沢 泰司 産業医科大学, 医学部, 助教 (20596720)
竹内 正明 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (30236434)
宮本 哲 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (30611305)
岩瀧 麻衣 産業医科大学, 医学部, 助教 (40771308)
西村 陽介 産業医科大学, 医学部, 教授 (50301338)
尾上 武志 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (50772703)
永田 泰史 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (60749993) [辞退]
園田 信成 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90299610)
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研究実績の概要 |
背景:不十分な僧帽弁複合体(MVC) の縦方向組織延長が、左室基部心筋の縦方向延長を制限し、左室球形化に寄与しうる。 方法: 拡張型心筋症 (DCM)30 例・大動脈弁逆流(AR)30 例および健常者30 名において、3次元心エコー図を用いて左室球形度を横方向径/縦方向径として求め、左室心尖部・基部の横および縦方向心筋組織長を測定し、MVC縦方向組織長を測定した。それぞれの組織長を健常者平均値と比べ組織長比(例:MVC縦組織長比=その症例のMVC組織長/健常者MVC組織長の平均)を求めた。左室基部縦心筋組織長比/左室心筋全体の組織長比 (心尖部横・心尖部縦・心基部横および心基部縦組織長比の平均)および MVC縦組織長比/左室心筋全体の組織長比は、それぞれ左室全体の心筋組織延長に対する左室基部縦およびMVC縦組織延長を表す指標と考えた。 結果: 心尖部横・縦および基部横方向の心筋組織長比はDCMにおいてもARにおいても増大したが(1.27 to 1.42, p<0.01)、 基部縦組織長比はDCM において増大せず、ARにおいて軽度増大した(1.12±0.21, p<0.01)。左室全体の心筋組織長比はDCMにおいてもARにおいても増大したが(1.20 to 1.22, p<0.01)、MVC 縦組織長比はDCMにおいて増大せず、ARにおいて軽度増大した(1.12±0.17, p<0.01)。「左室基部縦心筋組織長比/左室心筋全体の組織長比」は、左室球形度の独立した関連因子であった。さらに「MVC 縦組織長比/左室心筋全体の組織長比」は「左室基部縦心筋組織長比/左室心筋全体の組織長比」の独立した関連因子であった。 結論: これらの結果は、本研究の仮説「不十分な僧帽弁複合体の縦方向組織延長が左室基部心筋が縦方向に延長するのを制限し、左室球形化リモデリングに寄与しうる」と合致する。
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