本研究では、右心カテーテル検査で安静時平均肺動脈圧(MPAP)が肺高血圧域に達していない膠原病患者39例を対象に運動負荷を行いMPAPが30mmHg以上に上昇した31例を薬物投与E群と非投与N群間に割り振った。2年間にわたり運動負荷時の血行動態各指標の変化を観察したところ、肺動脈のリモデリングの程度を反映すると考えられる最大運動負荷時のMPAP増加量を心拍出量の増加量で除した指標において、E群で有意に改善したのに対しN群では増悪傾向を認め、早期薬物治療介入が肺血管における病勢進行抑制に効果的である可能性が示唆された。
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