研究課題
本研究は、in vitro(内皮細胞)およびin vivo(マウス)研究では、糖尿病によるストレス誘導性細胞老化を介した脳心血管障害におけるRho-associated kinase (ROCK)の役割を、in vitro (内皮細胞)とin vivo(マウス)実験にて検討することである。またROCKにはROCK1とROCK2の二つのアイソフォームがあるために、高グルコース条件下におけるストレス誘導性細胞老化におけるそれぞれのアイソフォームの役割も検討する。また臨床研究では、糖尿病による細胞老化を介した血管障害、臓器障害に対してのROCK阻害効果を、白血球ROCK活性、flow-mediated dilation(FMD)、brachial-ankle pulse wave velocity(baPWV)を用いて検討、更には脳心血管疾患の追跡予後評価をする。(1)In vitro(内皮細胞)による検討では、高グルコース培養液 72時間刺激ではeNOSの発現は軽度亢進、eNOSリン酸化は低下、ROCK活性は亢進した。ROCK阻害薬の投与によって、eNOSリン酸化の低下、ROCK活性の亢進は軽減した。TNFα投与における検討では培養条件を変えながら検討しているが、再現性に問題が残っており、続行中である。またROCK2KO内皮細胞、ROCK1KO内皮細胞の検討により、内皮におけるROCK2の方がストレス誘導性細胞老化により強い関与が認められた。(2)In vivo (マウス) による検討は、上記の如くにin vitroによる検討により、ROCK2がストレス誘導性細胞老化に関与しているため、ROCK1KOマウスは用いず、WT(littermate)およびROCK2KOマウスを用いて施行中である。
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