研究課題/領域番号 |
17K09555
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, 特別教員 (90575284)
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研究分担者 |
得能 智武 九州大学, 大学病院, 助教 (50567378)
井上 緩子 (津田緩子) 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (50593795)
半田 早希子 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (40745197) [辞退]
山本 雲平 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50814638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 口腔内装置(MAD) / 客観的使用時間 / 血管内皮機能 / 24時間血圧 / 夜間頻尿 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者において、CPAP/口腔内治療装置(MAD)両機器を適切に使用することで、心血管系機能へ影響は同等に良好であると証明することであり、心血管系への影響は24 時間血圧や内皮依存性血管拡張能(FMD)を用いて評価した。既存の治療概念では、中等症以上には第一選択とされないMADを含めた新たな治療指針の構築に資することを目指している。 前年度に解析を開始し、主要評価項目であるCPAP/MAD各治療終了時におけるFMDの変化率とABPMによる血圧値については、治療前後で有意な差は認められなかった。一方、副次評価項目である、眠気症状や夜間尿の回数などの主観的指標は、いずれの治療法でも有意に改善することが判明した。 2019年度も引き続きデータ解析を実施し、特に今回は閉塞性睡眠時無呼吸症候群に高頻度に合併する夜間頻尿に焦点を当て解析を行った。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は心負荷による心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の過剰分泌、途中覚醒による膀胱収縮、頻回の血圧変動による圧利尿等の機序で夜間頻尿を高頻度に合併することが明らかとなっている。また、近年では心血管疾患も血管内皮機能障害等での動脈硬化をきたすことで夜間頻尿を発症することが示唆されている。一方睡眠呼吸障害も血管内皮機能障害をきたすことが知られていることから睡眠呼吸障害による夜間頻尿の発症に睡眠呼吸障害の直接作用による血管内皮機能障害も関与しているのではないかと考え今回検討をおこなった。 今回は本研究の患者群のうち夜間頻尿を有さず、泌尿器の自覚症状スコアが軽症であった症例で検討をおこなった。 CPAP,MAD治療にてAHI,日中傾眠、夜間尿回数は改善した。また、24時間血圧の改善は認めなかったがFMDで評価した血管内皮機能は改善した。頻尿改善群、非改善群の二群に分けて検討したが夜間尿の改善に影響を及ぼす有意な因子は確認できなかった。
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